内容説明
エイベル、フュルト…、そして高峰、上中、結晶化を競った最先端科学者たちの物語。
目次
第1章 ホルモンの歴史を切りひらく
第2章 副腎の謎を追って
第3章 生理機能を探る
第4章 活性成分を追い求めて
第5章 めぐってきた幸運
第6章 歴史的な特許係争の判決
第7章 名称をめぐる混乱
第8章 結晶化のあと
著者等紹介
石田三雄[イシダミツオ]
1931年生まれ。1954年京都大学農学部農芸化学科卒業。同年三共株式会社入社。1962年米国アイオワ州立大学(Ames)に奨学生留学。1964年同大修士課程修了。1968年京都大学農学博士。最終職歴:三共株式会社取締役農薬本部長。1991~1993年日本農薬学会副会長。現在、NPO近代日本の創造史懇話会・理事長、日本農薬学会名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
最初に発見されたホルモンであるアドレナリンを結晶化させたのが日本人の高峰譲吉2017/08/27
セルジオ肥前
1
高峰譲吉の偉業の陰に上中啓三というテクニシャンの存在があった事を始めて知りました。他の研究者に先んじて純度の高いアドレナリンを抽出できた理由などは本書からは良くわかりませんでした。2015/05/18
koz
1
ドラマ「ER」で良く耳にするエピという薬、これは人類が初めて手にしたホルモン、アドレナリンの事である。この結晶化に初めて成功した日本人科学者、高峰譲吉と上中啓三の発見を軸に、アジソン病から始まる内分泌研究を俯瞰する。「あんなものをどうして見逃していたのか不思議なくらいです。ワルピアンがちゃんと書いているのです」と言う上中の発見に先立つこと半世紀、ヴュルピアンが副腎髄質で見つけた呈色反応を巡る当時の様々な研究も興味深い。冒頭のエピネフリンとアドレナリンの名前に関する混乱と決め手となった書簡も面白く読んだ2014/05/18