内容説明
初期社会主義思想の息吹を伝える名著。全労働収益権論の主張。
目次
第1章 富のすべての正しい分配の基礎となるべき、われわれの組織とわれわれをとりまく自然的、社会的環境とから演繹される、自然の原理、規則または法則に関する研究
第2章 富の強制的不平等により現実に生じた諸弊害について
第3章 分配の自然法則「自由な労働、労働生産物の完全利用と自発的交換」の副次的利益について―平等な安全によって制限された平等について
著者等紹介
鎌田武治[カマタタケジ]
横浜国立大学名誉教授。1930年東京都生まれ。1953年横浜国立大学経済学部卒業。1958年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。1969年京都大学経済学博士。横浜国立大学教授、大阪産業大学教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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新刊棚より拝借。政治経済学を社会科学として有益にするには、この応用が社会的幸福の技芸となるので、人間の複雑な本性を見失わぬように留意せよという(ⅸ頁)。「幸福とは、かなり長時間にわたって経験する、さまざまな種目の快楽感が絡み合っている、充実感(well-being)の持続する状態」(27頁)。政治経済学の究極目的は、社会に蓄積された富の絶対量を増加すること(55頁)。富と幸福の関係を政治経済学の視座から解明する。今日的な課題。1850,69年からの懸案課題。分配の方法が増税後に明示されるのは当然に思える。2013/04/22