出版社内容情報
唯一亜寒帯に属した帝国日本の植民地樺太。米食をアイデンティティとした日本で、米が出来ない土地。ここに入植した人々は、自らを「日本人」としてどう位置付けようとしたのか。詳細な分析からその特殊なアイデンティティに迫る。
内容説明
帝国日本唯一の亜寒帯植民地「樺太」。米食をアイデンティティとした日本で、米が出来ない土地。この地に移住した人々は、自らを「日本」として「日本人」としてどう位置付けようとしたのか。拓殖の現場としての移民社会、拓殖を指導した研究機関、そして植民地官僚の言説の詳細な分析を通して、拓殖の実態とその特殊なアイデンティティに農業社会史の観点から迫る。
目次
第1章 亜寒帯植民地樺太
第2章 樺太農業への眼差し
第3章 樺太の農業拓殖と村落形成の実像
第4章 視覚化する拓殖イデオロギー
第5章 形成される周縁的ナショナル・アイデンティティ
第6章 東亜北方開発展覧会の亜寒帯主義と北進主義
第7章 樺太米食撤廃論
第8章 亜寒帯植民地樺太における周縁的ナショナル・アイデンティティの軌跡
著者等紹介
中山大将[ナカヤマタイショウ]
北海道大学スラブ研究センター所属、日本学術振興会特別研究員PD。京都大学博士(農学)。専門は農業社会史、歴史社会学、境界研究。1980年北海道生まれ。札幌開成高等学校卒業(2000年3月)、京都大学農学部食料・環境経済学科入学(2001年4月)、京都大学大学院農学研究科生物資源経済学専攻博士課程修了(2010年3月)、京都大学大学院文学研究科GCOE研究員を経て現職(2012年4月より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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