熱帯林の保全と非木材林産物―森を生かす知恵を探る

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  • サイズ A5判/ページ数 287p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784876984428
  • NDC分類 653.29
  • Cコード C3045

内容説明

熱帯林の消失・劣化は、今世紀に解決すべき最大の問題の一つであるが、ただ、森林での人間行為を禁止するだけでは、その解決にならない。現実には森林に頼って暮らしをたてているたくさんの人々がいるからである。その際の鍵になるのが、木を伐採することなしに収穫できる生産物、すなわち本書が提案する非木材林産物の活用である。広大な熱帯林に隠れている食料や薬剤原料、工業原料となる産物を再発見し、地域では伝統的に利用されてきたそれらの産品を、より広い市場で活用することで、地域の暮らしと森林を同時に守るのである。熱帯農学の第一人者が、その研究生活の総括として、平明な文章と豊富な写真で、熱帯林の可能性を示す。

目次

第1章 熱帯森林の非木材林産物と伝統的知識(非木材林産物;消失する森林文化・知識;森林先住民の伝統的知識の保護と利用)
第2章 東南アジアの伝統的森林の維持と非木材林産物生産(タイ北部、ゴールデン・トライアングルの天然林内でのチャの栽培とミアンの生産;ゴールデン・トライアングルのビルマウルシと漆の生産;タイ北部、ランパンのアメリカネムノキ林とラックの生産 ほか)
第3章 非木材林産物生産での山村社会の維持(非木材林産物の国際市場での認知;一村一品―特徴を保つ)

著者等紹介

渡辺弘之[ワタナベヒロユキ]
1939年生まれ、1963年高知大学農学部卒業、1969年京都大学大学院農学研究科博士課程修了、京都大学助手、講師、助教授を経て、現在、京都大学大学院教授日本土壌動物学会受賞、国際アグロフォレストリー研究センター理事、日本土壌動物学会会長、日本環境動物昆虫学会副会長、日本林学会評議員・関西支部長、日本熱帯生態学会評議員、国際農林水産業研究センター顧問
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