内容説明
野生生物の宝庫マダガスカルの生き物たちの中でも、とりわけユニークな鳥アカオオハシモズ。若い雄による「ヘルパー」行動や、「頼りになる兄貴分」とでも言える混群の中での独特の位置など、彼らのみせる生態・社会行動は、遺伝や社会進化、群集形成といった生物学上の重要テーマを解く上で非常に示唆に富む。これまでもマダガスカルの魅力を広く著してきた編者らが、長期研究の総決算として、美しい小鳥との出会いから生態学全般の謎解きに至るまでを、魅力あふれる文章で語り上げる。
目次
第1部 アンピジュルアの森(研究の発端;アカオオハシモズの棲む森アンピジュルア;アカオオハシモズを知る ほか)
第2部 アカオオハシモズの社会(オスの奇妙な生活史;パラサイト・シングル?いや、リクルート戦略!;息子を産むべきか、娘を産むべきか)
第3部 アカオオハシモズがたどった道(アカオオハシモズがたどった道;オオハシモズ科鳥類の比較社会;協同繁殖はどのように進化してきたか)
著者等紹介
山岸哲[ヤマギシテツ]
1939年長野県に生まれる。信州大学教育学部卒業。大阪市立大学理学部教授をへて、現在、京都大学大学院理学研究科教授、山階鳥類研究所副所長(併任)。理学博士
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