内容説明
ミャンマーとの国境に面した雲南省徳宏州。そこで著者が目にしたのは、戒律を厳守する出家者を地域の宗教実践にとって不可欠の存在とする「上座仏教徒社会の常識」がまるで通用しない独自の宗教実践であった。在家の儀礼専門家(ホールー)、女性修行者、村の老人―多種多様なアクターたちが、2つの政治権力の狭間を揺れ動きながら形作る多彩な実践を、誠実かつ緻密な筆致で生き生きと描き出す。貴重な実践を記録した動画資料へのQRコード収載。
目次
第1章 「境域」空間をなす徳宏
第2章 徳宏タイ族の宗教的特徴
第3章 「在家」が織りなす信仰空間
第4章 担い手から見る宗教実践
第5章 ホールーの越境と実践の動態
第6章 仏教実践と政治権力
終章 徳宏タイ族の仏教実践とその行方
著者等紹介
小島敬裕[コジマタカヒロ]
1969年生まれ。1994年、北海道大学文学部文学科中国文学専攻課程卒業。札幌北斗高等学校、WIN日本語学校(在ミャンマー)勤務の後、ヤンゴン外国語大学に留学。帰国後、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程に入学し、雲南民族大学留学を経て2010年に修了。博士(地域研究)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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