目次
第1章 序文
第2章 暗中模索:19世紀以前の航空学
第3章 一進一退:19世紀における航空の進歩
第4章 真の始まり:ライトフライヤー
第5章 勘と経験による設計:支柱とワイヤを持つ複葉機の時代
第6章 最初の設計革命:成熟したプロペラ推進飛行機の時代
第7章 第二の設計革命:ジェット推進飛行機の時代
著者等紹介
アンダーソン,Jr.,ジョン・D.[アンダーソン,JR.,ジョンD.] [Anderson,Jr.,John D.]
1937年アメリカ・ペンシルヴァニア州生まれ。フロリダ大学航空工学学士卒業、オハイオ州立大学Ph.D(航空工学)。本書の執筆時点でメリーランド大学航空工学科教授、メリーランド大学の科学に関する歴史哲学委員会教授、スミソニアン協会国立航空宇宙博物館空気力学特別教員。現在、メリーランド大学名誉教授、スミソニアン協会国立航空宇宙博物館空気力学専門学芸員
織田剛[オダツヨシ]
1967年北海道生まれ。1990年京都大学工学部機械工学科卒業、1992年京都大学大学院工学研究科修士、1992年より(株)神戸製鋼所技術開発本部機械研究所勤務、2003年京都工芸繊維大学博士(工学)。現在、(株)神戸製鋼所鉄鋼事業部門技術開発センタープロセス技術開発室主任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Miyoshi Hirotaka
22
空を飛びたいという痛々しい高揚感が、科学という翼を得て形になり始めたのが19世紀。空気より重い機械が飛べることを証明したのがリリエンタールで、それを動力で飛べるようにしたのがライト兄弟。飛行技術の歴史はイノベーションの連続。「より高く、より速く」という夢は、マッハ3、2万5千mに到達。以来、飛行機は適した速度や高度に収束。これでイノベーションが終わった訳ではない。風洞試験はコンピュータと一体化し、製造工程と情報が共有され、設計に革命が起きた。飛行機材料の主役は、木から金属そして炭素繊維複合材へと変わった。2018/09/09
波璃子
20
飛行機熱が高まって借りてきた本。読みたいところだけかいつまんで読んだ。木製飛行機というものに魅力を感じるたちなので、第二次世界大戦前までが好き。難しかったけど知識が深まりました。2016/07/28
かつきち
1
なぜたかが12秒36mが「飛行」とされるのか、なぜライト兄弟が航空のトップランナーから早々に落ちたのか、なぜわずかな期間で大量輸送を安定飛行で行えるほどの進歩が起こったのか。ずっと思っていた疑問が判った。 同時に航空力学の各タームの何がどうしてこのタイミングで問題となっていたのかの背景解説と技術者の取り組みが時系列で読み薦められた。ボリュームも解説の粒度も自分にはあっていて大変面白かった。2018/05/30
真坂野まさか
1
航空機の技術発展史。専門知識をあまり必要としないものに限るのであれば、これが一番詳細かつ分かりやすい。ただ量と質共に重いため、入門用には向かない。個人的には航空機の発達における技術と理論の乖離・協力目当てに買い、確かにそのことに一貫して触れているのだが、もう少しだけ掘り下げて欲しかった。概観としては十分なので個別に資料を漁れということこか。海外翻訳は読み辛いため苦手としていたが、この本は訳者が優秀なのか読みやすかった。また原作者の航空機に対する情熱も感じられる。2015/11/16
garyou
1
ひとつの成功の背後には、脈々と続く先人の功績がある。つい最近もそんなことを考へてゐた。航空工学とか、まつたくわからないけれども、様々な人の様々な試行錯誤が積み重なつていくやうすを読んでゐるだけで楽しい。原書が出版されたのが2002年で、ライトフライヤーが空を飛んでから100年と経つてゐなかつたときのこと、などと感慨に耽りつつ、ハリアーとかステルス戦闘機とかはやつぱり型破りな飛行機なんだなー、と思つたり。飛行機好きならもつと楽しめるんだらうな。2014/03/13