内容説明
例えば社会主義下で宗教組織をどう維持するか?私的世界から対抗的な公共圏を創造し強かに生きる人々の民族誌から、私/公の二分法を越える新しい地域研究。
目次
往還する親密性と公共性―東南アジアの宗教・社会組織にみるアイデンティティと生存
1 親密圏による公共性の構築、獲得(「過平安橋」―シンガポールの広場に出現するゆるやかな公共性の場;家庭内祭祀から公共領域へ―マレーシア華人社会における「盂蘭勝会」の都市的構造;移民社会における「親密圏」の機能と変容―マニラ華人社会における伝統的組織)
2 公共性・公共圏の意図せぬ生成(民衆が創出する都市の親密性と公共性―ベトナム・ハノイの宗教施設「ハビ亭」と同郷会;スピリチュアリティの親密圏から公共性へ―イスラーム世界マレーシアの「仏教公共圏」)
3 地域社会の親密性・公共性に通時的にかかわる「伝統的な力」(親密性・公共性の変容と伝統的な力―北タイ・チェンマイの霊媒術を手がかりに)
4 複数の公共圏の競合とその中での往来(貧者にとっての親密圏と公共圏―マニラ首都圏における露天商組織の連帯と抵抗)
重畳する親密性と公共性
著者等紹介
黄蘊[コウウン]
関西学院大学講師。大阪大学大学院人間科学研究科修了、博士(人間科学)。専攻:文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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