内容説明
強大な国家権力を持たず、大河にも依存しなかった異色の古代文明、インダス。その衰退の要因は、劇的な天災でも戦争でもなく、ネットワークの崩壊だった―文理融合による学際的アプローチで、インダス文明衰退の謎に迫る。日本隊初のインダス文明遺跡発掘調査(カーンメール遺跡、ファルマーナー遺跡)の成果も収録。
目次
南アジア基層世界とは
第1部 自然環境を復元する(南アジアの自然環境;消えた大河とインダス文明の謎;海岸線環境の変化と湾岸都市の盛衰;南アジアのモンスーン変動をとらえる)
第2部 人々の暮らしを復元する(発掘とGIS分析でインダス文明都市を探る;工芸品からみたインダス文明期の流通;インダス文明の衰退と農耕の役割;インダス文明の牧畜;インダス文明に文字文化はあったのか;アーリヤ諸部族の侵入と南アジア基層世界)
第3部 現代へのつながりを辿る(インド冬作穀類の起源と変遷;DNAからたどる南アジア人の系統;多言語多文化の世界―現代南アジアから見る;南アジアにカースト・ネットワークを見る)
新しいインダス文明像を求めて
著者等紹介
長田俊樹[オサダトシキ]
総合地球環境学研究所名誉教授および客員教授。専門分野:言語学、南アジア研究、インダス文明(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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