内容説明
暴動の背後には複雑な歴史・政治問題がある、と一般には語られる。しかし実はそこにあるのは民族経営の未発達と雇用関係や失業問題、それを支える教育システムの不合理といった、経済関係だ。この問題を無視して国際支援や難民問題の解決は無い。統計の欠如という特有の事情から見えてこなかった格差問題に、初めて計量的に迫る意欲作。
目次
1 民族間の経済格差とその実態(民族間の所得格差―民族地区県データから;民族自治区農村の生業と民族間格差;少数民族の労働移動と労務輸出)
2 民族企業家はどこまで成長しているか(民族企業家の相対比率―新疆自治区企業データの分析;企業家精神と企業規模・形態;少数民族企業家の生成―聞き取り調査からの析出;少数民族の政治的地位と教育言語問題)
補論 チベット問題への試行的アプローチ(国境の外の少数民族問題―ラオス北部における中国人の経済進出と摩擦;「チベット難民」と現地の相克:ネパール・インドからの報告;チベット農奴解放の正当性に関する数量経済学的研究)
著者等紹介
大西広[オオニシヒロシ]
慶應義塾大学経済学部教授、京都大学名誉教授。1956年生まれ。京都大学大学院経済学研究科修了。経済学博士(京都大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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