内容説明
記憶という過去の表象は不確かであり、歴史として定着するためには書かれたエクリチュールなしにはありえない。しかし、文書庫(アルシーヴ)にうずもれた史料が過去の真実を保証するわけではない。リクールは、解釈するという現在の行為が歴史をつくりだすと考えるが、そのことの意味はなにか?―。
目次
記憶の現象学
アルシーヴに面する歴史家(アルシーヴ化;歴史家的表象)
『時間と物語』における「コンフィギュラシオン」概念
歴史家と裁判官
困難な赦し
忘却
著者等紹介
川口茂雄[カワグチシゲオ]
1976年生まれ。兵庫県宝塚市出身。1999年京都大学文学部卒業。2006年京都大学大学院文学研究科博士課程指導認定退学。文学博士(京都大学)。2006‐2009年日本学術振興会特別研究員PD(東京大学人文社会系研究科)。現在、獨協大学国際教養学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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