内容説明
東アジアに独自ネットワークを築き経済活動を拓いた朝鮮華僑。東アジア近代史・華僑近代史・朝鮮近代史に新たな光を当てる。
目次
中国人の朝鮮移住と経済活動
第1部 華僑織物商
第2部 華僑製造業者
第3部 華僑農民
第4部 華僑労働者
補論1 1931年排華事件の近因と遠因
補論2 韓国および北朝鮮華僑の形成および経済活動
近代史のなかの朝鮮華僑
著者等紹介
李正煕[イジョンヒ]
1968年韓国慶尚北道星州郡生まれ。韓国慶北大学経商大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学大学院経済学研究科短期留学(1994.10~1995.9)。韓国『嶺南日報』記者を経て2000年より成美大学経営情報学部専任講師、2011年より教授。京都大学人文科学研究所共同研究員(2012年度)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
19
近代に朝鮮に移住した中国人.朝鮮華僑の社会経済活動の盛衰を多面的に著述。各業態毎の経済活動を詳細に分析しながら、開港期、植民地期、解放初期と、時代の変遷の中で、朝鮮華僑が東アジア域内のヒト、モノ、カネ、情報の移動を促進してきたことを明らかにしている。中国山東省での商業資本の蓄積や優れた野菜栽培技術なども朝鮮移住の経済的要因としてあるようだ。又、1931年の徘華事件(朝鮮人による華僑虐殺)発生の経緯と、日本政府および朝鮮総督府の対応も検討しており、様々な要因が複合的に重なって起きたとの見解を示している。2021/08/15
ちんれん
4
7200円もするので、図書館から借りて読んでみた。現在の韓国になぜ大規模なチャイナタウンが無いのか、台湾人の親戚がなぜ韓国に華僑として一部生活しているのか、在日華僑が広東、福建出身が多いのに韓国の華僑は山東省出身が多い経緯などが書かれていて物凄く面白かった。日中韓北朝台湾を跨いだ近現代史は本当に面白い。2016/06/05