内容説明
独特の自治都市政治文化の花が咲いた中世北イタリア。都市、農村、山岳部、そして「君主」をつなぐ人と地域がルネサンスの領域国家を生み出してゆく。その原動力を地域の紛争と平和創出の過程に求め、ミクロな争いが広域の秩序を形成するダイナミズムを析出する。紛争論の枠組みに新風を吹かし、西洋史の枠を越える意欲作。
目次
第1章 コムーネと広域秩序―12・13世紀ロンバルディア・ピエモンテの都市間仲裁制
第2章 “準都市”共同体の形成と発展―カザーレ・モンフェッラートと在地紛争
第3章 代官と代官区―14世紀ヴィスコンティ国家下のベルガモ
第4章 党派とミクロ党派―14・15世紀ベルガモにおける在地的グェルフィとギベッリーニ
第5章 在地的党派と地域形成―14世紀のベルガモ領域アルメンノとイマーニャ渓谷
終章 結論と展望
附章 研究史概観 都市コムーネから地域国家へ:移行の契機とその歴史的特質、そして国家の歴史の方法論
著者等紹介
佐藤公美[サトウヒトミ]
1973年山形県生まれ。1996年京都大学文学部史学科卒業。2006年京都大学大学院文学研究科博士後期課程歴史文化学研究指導認定退学。2008年京都大学にて博士(文学)の学位を取得。2012年ミラノ大学にてdottore di ricerca in Storia medievaleの学位を取得。ブルーノ・ケスラー財団イタリア・ドイツ歴史学研究所(Fondazione Bruno Kessler,Istituto storico italo‐germanico)共同研究員。現在、甲南大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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