内容説明
『トピカ』は、6つあるアリストテレスの論理学書のうち、弁証術(ディアレクティケー)を学問的に確立した著作である。あらゆる分野において意見の分かれる問題や前提に関わりながら、それに対応するさまざまな論理様式を吟味し検討する。その意味においてあらゆる学の原理的命題へ通じる道を拓いてくれる。
目次
第1巻 序論。この論考の目的と有用性。弁証的方法を構成する諸要素
第2巻 付帯性に関するトポス
第3巻 付帯性に関する特殊なトポス
第4巻 類に関するトポス
第5巻 特性に関するトポス
第6巻 定義に関するトポス
第7巻 定義に関するトポス(つづき)
第8巻 弁証術の実践に関する諸規則
著者等紹介
池田康男[イケダヤスオ]
高知大学名誉教授。一九三八年長野県生まれ。1970年京都大学大学院文学研究科博士課程退学。1971年清泉女子大学文学部講師。1981年高知大学教授を経て、2002年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴィクトリー
2
読み始めてトポス(乱暴に言えばトピカの単数形)が何なのか分からなくて、先に解説を読む。そこでトポスとは、相手を論駁したり、自説を確立させるための弁証の仕組み、とかある。要は、この本を学べばソクラテスの様な問答が出来る、と言うことか?しかし、なんと言うのかHowTo本にしては、要点が整理されていなくて妙に分かりにくいし、あまり面白く感じなかった。プラトンの対話編は文学作品としても楽しめるが、この本や分析論ではそういう楽しみとは無縁なのも面白くない理由だろう。アリストテレスの論法を研究したい人向け、か?2013/04/30
syokou
0
トポスの説明でアリストテレスへの自分の認識が変わった2012/09/10
戸田健太朗
0
アリストテレスがやろうとしたのは議論における弁証のルール整備であり、立ち位置を一致させるか明確にする重要性。僕らもそうだけどアリストテレスも他人との議論で相当に苦労したんだろうなあ。彼が目指したところには未だ程遠い状態。いうなればコミュニケーションの齟齬を無くすという壮大な事業であることですし。2010/09/26