内容説明
ナイル鱸、大鮪、金眉魚…魚談義は盛りあがり博学の料理人が大演説、賢人たちの宴は果てない。
目次
一、二の祭礼のこと
魚についての序
鰹
快楽至上主義者たち
べら
アンティアス
雑魚
鱸
えい・あんこう
ボクス〔ほか〕
感想・レビュー
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roughfractus02
6
哲学では、自然学は宇宙の原理から始まり、自然を動かす原因やその生成過程を探求する領域とされる。一方著者は、料理される魚の列挙から始まり、それらの産地で獲れる理由としての他の動植物との関わり、その土地の川や湖の地勢の長期変動や急激な変化等の偶然が織りなす自然学を、奇妙なエピソードを含んだ引用を盛り込んで作り上げる(例:「魚奇談」)。諸部分が全体を作るアリストテレスの自然学から全体を差し引き、言葉の連想の力によって諸部分自身が偶然のネットワークを繰り広げる本巻は、鳥から獣の肉へ、さらに喜劇の食卓へと話を移す。2019/07/28