日本語学と通言語的研究との対話 - テンス・アスペクト・ムード研究を通して

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日本語学と通言語的研究との対話 - テンス・アスペクト・ムード研究を通して

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  • サイズ A5判/ページ数 225p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784874246245
  • NDC分類 810.7
  • Cコード C3081

出版社内容情報

通言語的な研究文脈の中で日本語学の成果はいかに位置づけられ、また今後進展し続けられるのか?第一線の日本語学者と言語類型論者との対話から、その方途をできる限り具体的にテンス・アスペクト・ムードに即して示した意欲的な書。

この論文集は,日本語学会の春季大会シンポジウム「日本語のテンス・アスペクト・ムード研究と通言語的研究」(2011年5月28日,神戸大学)を発端としており,問題意識や目的など,多くのものを同シンポジウムから引き継いでいる。
シンポジウムの問題意識とは,「通言語的な研究文脈の中で,日本語学の成果はどのように位置づけられるのか?」,そして「通言語的な研究の影響を受けながらも,日本語学が独自の魅力を失わず進展し続け,通言語的な研究に有益な成果を提供していくには,どうすればよいのか?」というものであった。そして,それらの答をテンス・アスペクト・ムードに即して,できるだけ具体的な形で示すことがシンポジウムの目的であった。
なぜ特にテンス・アスペクト・ムードを取り上げるのか? それはテンス・アスペクト・ムードが,日本語学が特に多くの研究蓄積を誇るテーマの一つでありながら,その成果が日本語学の外部,特に世界のさまざまな言語を見渡す通言語的な研究の文脈に立つと,案外見えにくいと思われるからである。(中略)
テンス・アスペクト・ムードに関して日本語学と通言語的な研究との交わりをさぐるために,シンポジウムでは,当該分野に関する第一線の日本語学者にご発表いただき,それらに対する,やはり第一線の言語類型論者のコメントをきっかけに,両者の対話をはかった。
その際,特に重視したのは,(対話によって得られる知見ももちろんだが)対話それ自体である。個別言語の世界に深く沈潜する「濃い」日本語学と,グローバルに展開する言語類型論とが,かみ合い,双方にとって有意義な対話が可能だとすれば,それはどのように可能なのか―これを聴衆に対して,できるだけわかりやすく具体的な形で示すことが,シンポジウムの問題意識からして必須だと考えたからである。
シンポジウムから問題意識と目的を引き継ぐこの論文集でも,やはり同様の「対話重視」の姿勢が保持されている。シンポジウムでは,限られた時間の中,パネリスト(日本語学者)とコメンテータ(言語類型論者)の間で何とか2往復のやりとりが実現できたが,そのやりとりはこの論文集でもほぼ再現されている。(中略)
これまでほとんど交わることのなかった2つのコアな研究文脈の貴重な対話を楽しんでいただければ幸いである。(「序」より)


定延利之


アンドレイ・マルチュコフ


第1章 記述的研究と通言語的研究との対話

「発見」と「ミラティブ」の間―なぜ通言語的研究と交わるのか―
定延利之

定延論文へのコメント
アンドレイ・マルチュコフ

マルチュコフ氏への返答
定延利之

再コメント
アンドレイ・マルチュコフ


第2章 歴史的研究と通言語的研究との対話

古代日本語研究と通言語的研究
小柳智一

小柳論文へのコメント
アンドレイ・マルチュコフ

マルチュコフ氏への返答
小柳智一

再コメント
アンドレイ・マルチュコフ


第3章 方言研究と通言語的研究との対話

方言研究と通言語的研究
渋谷勝己

渋谷論文へのコメント
アンドレイ・マルチュコフ

マルチュコフ氏への返答
渋谷勝己

再コメント
アンドレイ・マルチュコフ


第4章 対照研究と通言語的研究との対話

対照研究と通言語的研究
井上優

井上論文へのコメント
アンドレイ・マルチュコフ

マルチュコフ氏への返答
井上優

再コメント
アンドレイ・マルチュコフ


索引
執筆者紹介

【著者紹介】
定延利之 (SADANOBU Toshiyuki)
大阪府出身。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。神戸大学教養部講師,国際文化学部講師,助教授,教授を経て,現在神戸大学大学院国際文化学研究科教授。著書・論文に『日本語社会 のぞきキャラくり』(三省堂,2011),『煩悩の文法』(筑摩書房,2008),『日本語不思議図鑑』(大修館書店,2006),『ささやく恋人,りきむレポーター』(岩波書店,2005),『認知言語論』(大修館書店,2000),『よくわかる言語学』(アルク,1999),“Evidential extension of aspecto-temporal forms in Japanese from a typological perspective”(共著,Cahier Chronos 23, 2011)などがある。
 
アンドレイ・マルチュコフ (Andrej MALCHUKOV)
レニングラード(現サンクトペテルブルグ)出身。レニングラード国立大学大学院修了。博士。ロシア科学アカデミー言語学研究所に在籍しつつ,アントワープ大学,ニーメーゲン大学研究員を経て,現在はマックス・プランク進化人類学研究所主任研究員,マインツ大学教授。著書・論文にNominalization/verbalization (Lincom Europa, 2004),“Tense, aspect, and mood based differential case marking”(共著,Lingua 121-1, 2011),Studies in ditransitive constructions (共編著,De Gruyter Mouton, 2010)などがある。
 
小柳智一 (KOYANAGI Tomokazu)
東京都出身。国学院大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。福岡教育大学教育学部准教授を経て,現在,聖心女子大学文学部准教授。著書・論文に『日本語文法の歴史と変化』(共著,くろしお出版,2011),「機能語生産―文法変化の種類?T―」(『国語研究』76,2013),「文法制度化―文法変化の種類?U―」(『聖心女子大学論叢』121,2013),「文法的意味の源泉と変化」(『日本語学』32-12,2013)などがある。

渋谷勝己(SHIBUYA Katsumi)
山形県出身。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中退。学術博士。梅花女子大学講師,京都外国語大学助教授等を経て,現在大阪大学大学院文学研究科教授。著書・論文に『シリーズ日本語史4 日本語史のインタフェース』(共著,岩波書店,2008),『旅するニホンゴ―異言語との出会いが変えたもの―』(共著,岩波書店,2013),「多言語・多変種能力のモデル化試論」(『コミュニケーション能力の諸相』ひつじ書房,2013)などがある。
 
井上優 (INOUE Masaru)
富山県出身。東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程中退。文学修士。国立国語研究所を経て,現在麗澤大学外国語学部・大学院言語教育研究科教授。著書・論文に『日本語文法のしくみ』(研究社,2002),『相席で黙っていられるか―日中言語行動比較論―』(岩波書店,2013),「モダリティ」(『シリーズ方言学2 方言の文法』,岩波書店,2006)などがある。

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