出版社内容情報
日中理論言語学の新たな展望を拓くシリーズ第3巻。最終巻となる本書では「語彙と品詞」というテーマについて、日本語や中国語、そして環太平洋の諸言語を対象に意欲的に論じている。一般言語学にも寄与し得る最新の知見が満載。
1. ヴォイスの複合
―記述の歴史と現在―
斉木美知世・鷲尾龍一
2.日本語における名詞性
―名詞らしさの境界と段階―
加藤重広
3. フィリピン諸語の品詞
―日本語との比較―
北野浩章
4. スライアモン・セイリッシュ語の品詞分類について
渡辺 己
5. 「動詞+過ぎる」と述語名詞としての「動詞+すぎ」
由本陽子
6. 「こころの動き」を言語はどのように捉えるか
―心理形容詞と心理動詞の使い分けを通して―
小竹直子・酒井 弘
7. 上代語の「~来」と「~行く」の接辞化とその周辺
―事態と事態の実現の仕方を中心に―
李長波
8. 中国語の名詞と動詞
沈家宣
9. 目的語の指示性の強さに基づく他動詞の分類
陸丙甫
【著者紹介】
影山太郎(国立国語研究所所長,関西学院大学名誉教授)
沈 力(同志社大学文化情報学部教授)