内容説明
本書に収録した九篇の論考は、西洋・東洋・日本と時代も場所も、その内容も様々だが、異世界を想像し、ユートピアを構築し、物語に制作する人間の根源的願望によって組み立てられ有機的に関連し合っている。それは現代、必然的に要請され始めた新たな「ユートピア的なもの」の質を問題化して理解するための歴史的考察とその現代的利用方法である。
目次
第1章 「都市」ユートピアの可能性
第2章 エウトピアからユートピアへ
第3章 ユートピア物語とロビンソン物語―原型と変形
第4章 北欧のユートピア―アイスランド植民をめぐって
第5章 旅とユートピア―楽園幻想とポリネシア旅行
第6章 中国における仙境伝説
第7章 桃源郷―中国的ユートピア世界
第8章 日本人の他界観―『古事記』を中心に
第9章 ユートピアの図像学