内容説明
兄弟のなかでいちばん小さくて、弱かったチビ。子犬の頃だけかわいがられて、大きくなって捨てられたリリィ。名前もなく、誰にも話しかけられない“名無し”。３匹の捨て犬たちの切ない気持ちと、新しい出会いによる幸せを描いた、大人も子どもも感動できる、やさしくて深いおはなし。
著者等紹介
さかざきちはる［サカザキチハル］
１９６７年生まれ。東京芸術大学デザイン科卒。絵本作家・イラストレーター。２００１年は、ペンギンのイラストがＪＲ東日本のＩＣカード（Ｓｕｉｃａ）のキャンペーンキャラクターに使われた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
emi*
11
綺麗な青の装丁と、可愛らしい犬の絵に惹かれて手に取った本。三匹の犬のお話。名無しくんのお話が一番胸を打った。犬はおもちゃじゃない。飽きたからって、捨てていいはずない。未来のある終わり方に救われました。2012/01/15
hamham
10
魅力的なところがないから、年をとってかわいくなくなったから、うるさく吠えるから…だから捨てられた犬たちのお話。殺処分される犬猫は年間65万頭。夜寝る前に読んだら、人間への怒りでムカムカして眠れなくなり、1日中「ニンゲン…コロス…」モードに。犬猫は人間の気持ちにもっとも寄り添ってくれる動物なのに、そんな彼らの気持ちを考えず捨てて寂しい場所に追いやって、悲しみの中死なせるなんてそんなこと許されていいのか。苦しい。ニンゲン…ユルサナイ…ホロボスベシ…。2017/03/01
雪ちょこ
7
チビ、リリイ、名無し・・・ほんの数ページしかない絵本（？）なのに、号泣しました。イヌは飼い主を選べない。ただ、振り回されるだけ。それでこれまでどれだけの命が奪われたのだろうか・・・。それを思うとますます苦しい。私もイヌと暮らしていたことがある。公園に捨てられていた小さな子イヌ。今はもう亡くなってしまったけど、その子からもらったものを思い出して、ますます泣けてきた。2011/05/08
たな吉
5
再読。何度読んでも、涙が出る。命ある生き物が、みんなみんな幸せでありますように。2018/08/17
Sakie
3
人間に捨てられた犬の、幸せになるストーリー３つ。著者は殺処分の現実を知ってこの絵本を書くことを決めた。だけど、ご自分の書いた犬たちの結末を、悲しいものにはできなかった、ということで、辛いけれど幸せになるストーリー。『現実の世界の犬たちに、優しい手が少しでも多くさしのべられることを祈っています』。捨てられた犬猫を引き取りたい人へのメッセージがあたたかい。2013/05/04
