内容説明
ハイデガー哲学はなぜナチズムと両立しえたのか。隠蔽されたハイデガー・ナチズムを解明し、ハイデガーの弁明に含まれる真実と虚構を明らかにする。
目次
ハイデガーとナチズム
第1部 「ハイデガー裁判」の経過と結末(「ハイデガー裁判」の発端;ランペの覚え書き文書と「ハイデガー裁判」のその後の展開;情勢の急展回;一九四五年一一月四日付の学長宛書簡におけるハイデガーの「弁明」;浄化委員会議長宛の手紙におけるハイデガーの最後の抵抗;浄化委員会の最終報告書の概要;「ハイデガー裁判」の結末)
第2部 ハイデガーの『一九三三/三四年の学長職。事実と思想』の真実と虚構(ハイデガーが学長を引き受けた動機と学長選挙の経緯;学長時代のハイデガーの思想と行動;いくつかの密告事件にたいするハイデガーの関与;学長職辞任の真相をめぐって;学長職辞任後のハイデガー;「事実と思想」の思想;結論と今後の展望)
第3部 ハイデガーとシュタウディンガー事件(シュタウディンガー事件または「シュテルンハイム作戦」の発端;シュタウディンガーの経歴と業績について;第一次世界大戦前後とフライブルク大学招聘にさいして生じた諸事件;シュタウディンガー事件の顛末;シュタウディンガー事件後の諸事件;その後のシュタウディンガーとハイデガー;主題の考察)
第4部 シルヴィオ・ヴィエッタによるハイデガー擁護論の批判(ハイデガー・ナチズム論争とハーバマスへの言い掛かり;民族主義・人種主義とハイデガーとの関わり;ナチズムの定義の限りなき曖昧さ;ハイデガーはナチズム批判から近代技術批判へ移行したか;ハイデガーは「ニーチェ講義」でナチズムと対決したか;ハイデガーの『哲学への寄与』における近代技術批判をめぐって)
著者等紹介
奥谷浩一[オクヤコウイチ]
1946年北海道札幌市生まれ。北海道大学文学部哲学科卒業。北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得。哲学・倫理学専攻。現在、札幌学院大学人文学部教授および人文学部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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