内容説明
写真家はそのとき何を思って撮影したのか。その心はどこへたどり着くのか。心を揺り動かす写真家の写真とことばの数々をつなぎ合わせる。
目次
星野道夫との出会い、そしてアラスカへ
第1部 新たな方法論としての「写真実践」(写真を撮り続ける中で重層されゆく思索;風景との出会いの中で揺れ動く写真家たちの心のひだを見つめて;写真実践を重層させることにより浮かび上がる共通項)
第2部 星野がアラスカで見出してゆく内実を「写真実践」から読み解く(見過ごされてきた星野道夫の写真実践;分断され論じられ続けてきたアラスカの人間と自然;「長い旅の途上」で星野道夫が見出したコスモロジー;星野道夫のアニミズム論への展望と「内なる自然」)
再びのアラスカにて―そして写真実践は続く
著者等紹介
吉成哲平[ヨシナリテッペイ]
1994年生まれ。大阪大学人間科学研究科博士前期課程。専門領域は、写真の実践研究、生活環境論、アラスカ先住民研究、人間と自然の共生。2018年に大阪大学人間科学部卒業。現在は、星野道夫をはじめ、土地々々との出会いの中で、時代を越え生と死のあわいを共に見つめていく戦後写真家たちの思索の内実について、人間と自然の関わりを軸として研究を行っている。中学生の頃に写真を始め、現在では上述の写真家たちの足跡を現地に身を置きながら辿りつつ、人間と自然の交感、そして生と死の相互性を巡り表現活動を続ける。主な研究活動として、大阪大学未来基金「平成28年度学部学生による自主研究奨励事業」採択(題目「ライフヒストリーに基づく奈良県十津川村における「人と自然の交流」の変容の考察:高度経済成長期から現在を中心に」)。また、三好恵真子教授との連名にて、日本生活学会第46回研究発表大会(題目「アラスカの地に見出されたコスモスの時空―写真家 星野道夫が問い続けた「人間と自然の関わり」からの試論」)、同第47回大会(題目「時空を超え暮らしへ結ばれていく写真実践―風景との出会いの中で揺れ動く写真家たちの心のひだを見つめて」)において発表、および「2019年度生活学プロジェクト助成」採択(題目「土地との出会いの中で展開し続ける「写真実践」―撮影を通して重層する写真家たちの心に着目して」)。この他、大阪大学未来基金教養教育優秀賞(2016年)、大阪大学人間科学部賞(2019年)、大阪大学人間科学研究科賞(2021年)を受賞
三好恵真子[ミヨシエマコ]
1965年生まれ。大阪大学人間科学研究科教授。専門領域は生活環境論、実践志向型地域研究、人間と自然の共生。1996年に大阪市立大学生活科学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。東京農業大学助手、大阪外国語大学講師、同大准教授、大阪大学人間科学研究科准教授を経て現職。世界各地域の環境問題を対象に、技術開発をする理工系の学生から海外でフィールドワークを重ねる環境社会学、環境人類学、また環境思想史等の人文社会科学系の学生まで文理を跨がる多様な人材が集結するユニークな研究環境を創っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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