内容説明
アイルランド文学が芥川龍之介、菊池寛、西條八十、伊藤整ら文学者によって、どのように受容され、変容していったのか。さらに、アイルランドへの日本近代文学の逆輸入現象が引き起こされた要因を、現地調査での知見に基づいて追跡し、世界文学の潮流の中にある日本近代文学の姿を活写する。
目次
第1章 重ね合わされる「愛蘭」と「日本」
第2章 明治期におけるアイルランド文学受容―雑誌記事の調査を中心として
第3章 芥川龍之介「シング紹介」論―「愛蘭士文学研究会」との関わりについて
第4章 「放浪者」の誕生―芥川龍之介「弘法大師御利生記」におけるシング『聖者の泉』の影響
第5章 芥川龍之介とジェイムズ・ジョイス―『若い芸術家の肖像』翻訳と「歯車」のあいだ
第6章 J.M.シングを読む菊池寛/菊池寛を読むW.B.イェイツ―日本文学とアイルランド文学の相互交渉
第7章 幻想と戦争―西條八十・その創作の転換期
第8章 伊藤整『若い詩人の肖像』におけるアイルランド文学―北海道・アイルランド・内地
著者等紹介
鈴木暁世[スズキアキヨ]
福岡女子大学専任講師。1977年、富山県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了、文学博士。大阪大学大学院文学研究科助教、Victoria and Albert Museum客員研究員(日本学術振興会)を経て現職。2014年4月より金沢大学に着任予定。専門分野、日本近代文学、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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