出版社内容情報
芥川はなぜ早々と完成度の高い作品「羅生門」を作ることができたのか。当時の状況と先行文学の影響力を明らかにする。「羅生門」が書かれたのは、まだ日本に西洋文学風の短編小説形式が整っていなかった時代である。芥川はなぜこれほど早い時期に完成度の高い作品を作ることができたのか。近代文学確立期の文学状況と、西洋文学を中心とする先行文学の影響力を明らかにするとともに、芥川の読書遍歴、問題意識や新たな作品解釈から、初期の作品づくりや表現力の知られざる特徴を解き明かす。
はじめに
第一章 芥川龍之介が生きた時代と「羅生門」
第二章 芥川の読書遍歴
第三章 「羅生門」までの道のり
第四章 「羅生門」の世界を読み解く
第五章 引きつがれていくエゴイズムの問題―「鼻」「芋粥」
第六章 独自の創作方法―「羅生門」「鼻」「芋粥」の共通点
第七章 「偸盗」に賭けた問題の解決
付録資料 「羅生門」
あとがき
コラム1 短編小説という様式の問題
コラム2 「今昔物語集」と芥川
コラム3 「八犬伝」「水滸伝」と芥川
コラム4 アナトール・フランス
コラム5 「聊斎志異」と芥川
コラム6 森?外の訳業の影響
コラム7 羅生門の鬼の伝説
コラム8 井川(恒藤)恭・山本喜誉司と芥川
コラム9 「鼻」のあらすじ
コラム10 「芋粥」のあらすじ
コラム11 「酒虫」のあらすじ
コラム12 「偸盗」のあらすじ
清水 康次[シミズ ヤスツグ]
著・文・その他
内容説明
芥川はどうやって「羅生門」を書きあげたのか。
目次
第1章 芥川龍之介が生きた時代と「羅生門」
第2章 芥川の読書遍歴
第3章 「羅生門」までの道のり
第4章 「羅生門」の世界を読み解く
第5章 引きつがれていくエゴイズムの問題―「鼻」「芋粥」
第6章 独自の創作方法―「羅生門」「鼻」「芋粥」の共通点
第7章 「偸盗」に賭けた問題の解決
付録資料 「羅生門」(全文)/芥川龍之介
著者等紹介
清水康次[シミズヤスツグ]
1954年、奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科国語学国文学専攻修士課程修了。大阪女子大学助教授、京都光華女子大学教授等を経て、大阪大学大学院文学研究科教授。博士(文学)(京都大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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