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内容説明
99の物語を旅しながら、古くて新しい国オーストラリアの日常生活に刻まれた地下水脈の歴史をたどる。「歴史」となった事実、消えていった「事実」。両者を分けるものに目を向けると、気がつかなかった「今」が見えてくる。歴史家がユーモアたっぷりに語る、グローバル社会でのオーストラリアのあじわいかた。
目次
1 ドンとパット
2 奪われた子供たち
3 流刑囚も立派な国民
4 美しい伝統を求めて
5 そして最後にアイリッシュ
6 マック・カントリーの外には
7 プライムミニスタとプレミアは同じ?
8 白豪主義から白人性へ
9 オーストラリア国旗とアボリジナル旗のあいだ
10 ナショナル・シンボル
著者等紹介
藤川隆男[フジカワタカオ]
1959年生まれ、大阪大学大学院文学研究科教授、オーストラリア研究、ホワイトネス・スタディーズなどの研究を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
志村真幸
2
現在のオーストラリアが抱えるまさざまな問題を歴史的な見地から解説したもの。見開き2ページ分を使ったコラムが、計100篇収められている。 タイトルの親しみやすさとは異なり、きわめて硬くて真面目な内容の本だ。先住民(アボリジナル)の置かれた劣悪な状況、現在のオーストラリアで進む歴史修正主義の危険性、白豪主義に象徴される人種差別の実態、イングランドからの流刑囚の子孫たち、乾燥地帯であるオーストラリアにおける灌漑の落とし穴などなど。 短い文章のなかに、わかりやすく歴史性と問題点が収められており、理解しやすい。2021/04/23
桃水
2
2010/11/27:コラム形式でオーストラリアの歴史を紹介した本。第1章は歴史の話ではなく、著者の話のためあまり興味を惹かれず挫折してしまい、数ヶ月放置してました。2010/12/07
ロピケ
1
イギリスからの移民など、オーストラリアの歴史に興味があって手に取った。オーストラリアの歴史についての本だけれど、私にとっては、シドニー、メルボルンなどの大都市以外の地域について書かれた部分が良かった。行ったことがあったのに、どうしても思い出せなかった地名がビーチワ―スと判明して、十何年間のモヤモヤが晴れてすっきりした。一つ一つの章が短くて読みやすかったが、幾分尻切れトンボのような気もした。題名に取った「猫に紅茶」やイタリア系移民の墓地など、オーストラリアの人びとの生活を扱っているのも面白かった。2012/03/07