内容説明
今日、将来の人類のために学問基盤を作ろうというプロジェクト(高度好熱菌まるごと一匹プロジェクト)が進められている。本書では、このプロジェクトによって、今後の生物学、生命科学はどのように変わり、どのようなことが起こると予測されるか?どのようにすれば、われわれ人類はゲノム情報に書込まれた意味の解読を加速できるのか?といった問いに対する積極的提案を紹介する。それとともに、ポストゲノムの中心的研究となりつつある「タンパク質」について理解するための基本事項を述べ、タンパク質にはいかに多くの謎が残されており、その研究分野は未開拓で、いかに魅力的な分野であるかを伝える。
目次
第1章 生きていることの神秘(生命の設計図;DNAの複製;遺伝子情報の維持;DNAの情報からタンパク質をつくる)
第2章 生体分子の構造と働き(生体を構成する分子;タンパク質を構成するおもなアミノ酸は二〇種類;タンパク質の立体構造;タンパク質の構造形成;タンパク質(酵素)機能の不思議)
第3章 生命現象の解析に挑む―高度好熱菌まるごと一匹プロジェクト(生物に共通の基本的生命現象の解明にむけて;細胞モデルとして高度好熱菌を選んだ理由;本プロジェクトの進行手順;これまでの進行状況;今後の課題)
著者等紹介
倉光成紀[クラミツセイキ]
1949年鳥取県に生まれる。1977年大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。現在、大阪大学大学院理学研究科教授。研究テーマはタンパク質工学、DNA修復機構の解析、構造機能ゲノム科学、酵素反応機構。所属学会は日本生化学会、日本蛋白質科学会、日本生物物理学会、Protein Society
増井良治[マスイリョウジ]
1965年大阪府に生まれる。1993年大阪大学大学院理学研究科後期課程修了。理学博士。現在、大阪大学大学院理学研究科講師。研究テーマはDNA修復機構の解析、構造ゲノム科学、機能未知タンパク質。所属学会は日本生化学会、日本タンパク質科学会、日本分子生物学会
中川紀子[ナカガワノリコ]
1975年和歌山県に生まれる。2001年大阪大学大学院理学研究科後期課程修了。理学博士。現在、大阪大学大学院理学研究科助手。研究テーマはDNA修復機構の解析、構造ゲノム科学。所属学会は日本生化学会、日本タンパク質科学会、日本分子生物学会
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