内容説明
本書は、非武装永世中立(論)の現代的意義を提示するものである。この基本的モチーフを、大きくは三つのテーマを通して論証。第一は永世中立の比較法政研究を通して、第二は日本における非武装永世中立論の検討を通して、第三は自衛権(個別的・集団的自衛権)および自衛隊の海外派兵論の批判的検討を通してである。
目次
現代における永世中立(論)の概況と課題―永世中立型憲法と平和保障政策
第1部 現代の永世中立国と平和保障政策―永世中立の比較法政研究(スイスの永世中立―武装(永世)中立憲法と国際平和協力
オーストリアの永世中立―武装永世中立憲法と国際平和協力
コスタリカの永世中立―非武装憲法に基づく積極的永世中立政策)
第2部 日本における永世中立論―日本国憲法九条と非武装永世中立論(非武装永世中立の肯定論の潮流(憲法学を中心に)―敗戦から冷戦崩壊まで
非武装永世中立の否定論の潮流―冷戦崩壊後(一九九〇年代)の動向
非武装永世中立(論)の現代的意義―憲法九条の国際化に向けて)
第3部 日本国憲法九条と自衛権および自衛隊海外派兵論―非武装永世中立論の正当化のための批判的考察(国家主権と自衛権に関する理論的考察;日本における個別的および集団的自衛権論の検討;自衛隊海外派兵の諸形態と正当化論の検討)
著者等紹介
沢野義一[サワノヨシカズ]
1951年石川県七尾市に生まれる。1976年立命館大学法学部卒業。その後、中京大学大学院法学研究科修士課程・龍谷大学大学院法学研究科博士課程で憲法学を専攻。現在、大阪経済法科大学法学部教授(憲法学)
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