内容説明
我々は何も知らなかった。演奏記録を徹底的に読み込み、解析、分析し、明らかにする巨匠の真の姿。録音でしか語られなかった時代の常識を覆す、驚愕の書!39曲を世界初演した現代音楽の伝導者にして、ユダヤ系音楽家と親交ある音楽家は、ナチス時代、どう変化したか。83の表と74のグラフでデジタルに解析。
目次
1 演奏記録の全貌
2 誰のどの曲をいつ演奏したか
3 「戦争」はフルトヴェングラーに何をもたらしたか
4 フルトヴェングラーは「同時代音楽の擁護者」か
5 フルトヴェングラーはどの国の作曲家の作品を指揮したのか
6 フルトヴェングラーはどんなソリストと共演していたのか
7 フルトヴェングラーのオペラ・舞台上演、および室内楽
著者等紹介
山下山人[ヤマシタヤマト]
1958年、山口県生まれ、横浜・東京育ち。1982年、早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社ジュピターテレコム勤務。主に管理・経理業務を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジャズクラ本
15
◎フルトヴェングラーのほぼ全ての演奏を掘り起こしてデータ化。とにかく圧巻で、彼が振った作曲家、曲目、オケ、共演者など、これだけのデータを整理した著者に敬服するばかり。全体の三分の一〜半分ほどはナチスとの彼のスタンスについて解析されている。フルトヴェングラー愛聴家にとってはやはり気になる部分だからだろうか。トスカニーニやワルターとの確執も随所に盛り込まれていて、少しは知っていたもののこれほどまでとは思わなかった。細大洩らさぬ統計データが、なまじな文章よりずっと雄弁にこの偉大な指揮者像を物語っています。2020/11/24
山内 ダイスケ
1
超のつく力作である 日頃、フルトヴェングラー氏の録音に慣れ親しんでいても、そのコンサート表情までは知り得ない。 この本では、氏の演奏活動を第一期~第五期にわけ、実に緻密に記録を整理してある。 私の住む三重県の図書館では蔵書が無く、遠く故郷の岐阜県図書館からかり出されて、手元に届いた。 図書館にいけば、いつでもこの力作に出会える岐阜市民が、少し羨ましい。2018/01/21