内容説明
子ども時代をふり返ることは、未来に向かうこと。戦争中は死につながっていた空は、戦後、希望に満ちた平和の青空になった。今こそ、子ども時代の大切さを謳う。
目次
思い出した風景―プロローグにかえて
第1章 「かもじや」のよしこちゃん
第2章 疎開先の小名浜での日々
第3章 新たな浅草橋の生活
第4章 学校と家族の光景
第5章 父の生きざま
第6章 浅草田原町の父の店
第7章 「かもじや」の客たち
第8章 露地と原っぱは子どもの世界
第9章 浅草界隈1―人間さまざま
第10章 浅草界隈2―遠景・近景
著者等紹介
西舘好子[ニシダテヨシコ]
1940年10月5日、東京市浅草区生まれ。かもじ職人内山東太郎と日出の次女。戦時中は福島県小名浜に疎開。大妻高等学校卒業後、電通に勤務。61年、井上ひさしと結婚、三女をもうける(86年離婚)。82年に劇団こまつ座、89年に劇団みなと座を主宰、演劇のプロデュースを数多く手がける。85年、第20回紀伊國屋演劇賞団体賞、95年スポーツニッポン文化大賞を受賞。30年に及ぶ演劇活動に加えて、DV、子供の虐待、女性問題に関する活動などに精力的に取り組む。2000年、日本子守歌協会(2002年にNPO法人認可。2020年、日本ららばい協会に改称)を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なる
27
「かもじや」とは鬘を売る店のこと。かつて疎開した縁のある小名浜が東日本大震災の被災地となり慰問し、その惨状が敗戦直後の子供時代と重なったという。作者の子供時代を過ごした浅草界隈の生活を生き生きとしたタッチで語っている。思い入れが強いような記述を見るとあるいは口述から書き起こしたものかもしれない。評論活動や子守唄を支援する活動で知られ、また劇作家の井上ひさしの元妻という経歴を持ち(当時の出版業界の異様さ・家庭内の凄惨さ綴った本もある)、おまけに実は遠縁らしく勝手に親近感を感じている。会ったことはないけれど。2022/04/01
Go Extreme
4
思い出した風景: 東日本大震災と敗戦直後の「子ども時代」 “生活"があった子ども時代 私を育ててくれた浅草橋と小名浜 「かもじや」のよしこちゃん 疎開先の小名浜での日々 新たな浅草橋の生活 学校と家族の光景 父の生きざま 浅草田原町の父の店 「かもじや」の客たち: 父の江戸弁―はしょって間がよくて、江戸の財産は言葉なのだ 露地と原っぱは子どもの世界 浅草界隈I―人間さまざま 浅草界隈II―遠景・近景だ2021/11/07