反官反民―中野剛志評論集

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 429p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784864880015
  • NDC分類 304
  • Cコード C0030

内容説明

この厳しい時代には、世論の不評を買ってもやらなくてはいけないことがある。政治家には選挙があるし、企業は利益を上げなくてはいけない。官僚だけが世論に抵抗できる。なのに経産省は、ずっと世論に迎合してきた。思想の確かさは、具体的な事象への判断によって試される。たった一人の闘い、その10年の軌跡。

目次

1 2002‐2005(反レジーム・チェンジ宣言;マキャベリズムのすすめ―対米自立への第一歩 ほか)
2 2005‐2009(表現について;全体主義体験記 ほか)
3 2009‐2011(覚醒する保護主義;「グリーン・ニューディール」は本当にグリーンか ほか)
4 2011.3.11‐(大震災の教訓としての「自由」;復興国債発行を恐れるな ほか)

著者等紹介

中野剛志[ナカノタケシ]
1971年神奈川県生まれ。1996年東京大学教養学部教養学科卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。2000年英エディンバラ大学大学院に留学(政治思想専攻)。同大より優等修士号(’01年)、博士号(’05年)取得。2003年論文‘Theorising Economic Nationalism’がイギリス民族学会Nations and Nationalism Prizeを受賞。2010年京都大学大学院工学研究科に出向、助教、准教授を務める(~’12年春)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カインズ

5
【常識を取り戻せ】一読して感じたことは、日本人がどんどん常識を失ってきていると言うことであった。現実主義という言葉で正しい行動を取らないことを自己弁護し、批判することを恐れ周囲に迎合する。政治においては、真面目な議論をすることもなく、むしろ議論などせずに決断することこそスピーディーで素晴らしい等という始末。このような状況に陥っている日本であっても、自分の言いたいことを言う重要性を説いている。著者のおためごかしでない言葉は、胸に響くものであった。真剣な議論によって、日本に常識を取り戻すことが必要だろう。2012/09/23

数学徒

3
かなり読み応えがあった。疲れました。2015/10/14

teddy11015544

3
中野氏の評論集です。少しずつ読み進めていましたが、やっと読了。新書とは違いなかなかに重いのですが、それだけに面白さもあります。何度かまた振り返って読み直さしたくなる評論がありそうです。2012/12/07

壱萬弐仟縁

3
「TPPで輸出は増えない」(298ページ~、初出は2011年2月)に注目した。親日国の不在、ドル安、米軍基地問題をTPP反対の理由にしている。領土問題という外交問題とも関係する、外交交渉としてのTPP。これの前身がFTAやEPAという、二国間交渉で、さらにWTO交渉が暗礁に乗り上げた結果、そういうものに変容してきたことを忘れてはならない。さらにGATTがWTOの前身だったわけであり、結果、日米貿易摩擦の時代からの延長上にあるのだ。TPPは政治問題(314ページ)との指摘も納得。ただ自民党論には違和感だな。2012/12/01

ぱぴ

2
2度目。イラク戦争から平成の構造改革、東日本大震災、原発事故…具体的な事象について様々な議論が展開されており、思想の根幹は決して揺らぎが無い。現在の著作や発言を見ていても根っこの部分は変わっていないと感じるので、若い時分から徹底的に鍛え抜いたであろう思想の確かさを垣間見れて感激すら覚える。現代の危機的状況においても非常に参考になることばかりなので、時々読み返して思考を鍛え上げたい。負け戦とは知りつつも真っ直ぐに次々と世論をぶった斬っていく姿がただ眩しく、言論を残してくれたことに感謝の気持ちでいっぱい。2021/06/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5262755
  • ご注意事項