内容説明
第一次世界大戦が現代に及ぼした影響を考察する。日本、アメリカ、ドイツ、フランス、中国、オーストラリア…世界中を巻き込んだ騒乱の時代を、各国の社会状況と文化面から多角的に分析していく。社会と文化が国単位でまざりあった時代に、ナショナリズムがいかにして醸成されたかをダイナミックにえがきだした。現代が抱える、国と民族意識の問題の端緒をみる一冊。
目次
1 ワイマール憲法下における「学校の自治」の法的構造
2 第一次世界大戦期の「戦争責任」と「民族自決」
3 市民社会の成立とリアリズム―1920年代のドイツ絵画を中心として
4 第一次世界大戦と哲学―世界大戦後の“精神的空気”から見る
5 日本ナショナリズム史のなかの対華二十一箇条要求―対華二十一箇条要求をめぐる当時の論調
6 100年前のフランス美術界事情―反アカデミスムの戦いから内なるヴィジョンへ
7 1920年代のアメリカ―禁酒法時代における陪審裁判と陪審による法の無視
8 第一次世界大戦とオーストラリア―ナショナリズムとアンザック神話の形成
著者等紹介
的場哲朗[マトバテツロウ]
白鴎大学法学部教授。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。ドイツの現代哲学が専門。最近は、ハイデッガーの主著『存在と時間』成立期におけるディルタイ学派の影響について研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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