出版社内容情報
バタイユの著作を社会学的に読み解き、その知見を取り入れることで社会学理論を深化させる。社会学的読解は、バタイユ解釈の一つの方法にすぎないが、いまだ探索されていない鉱脈を掘り当てる試みとなりうる。
目次
序論 バタイユからの社会学
第1章 至高性の社会学
第2章 聖社会学から生成の社会学へ
第3章 生成の社会学の方法論―体験と制度
第4章 聖なるものの社会学―体験、象徴、表象
第5章 人間の聖性について―デュルケーム、バタイユ、アガンベン
第6章 〓き出しの生と交流―難病ALSの〓奪体験をめぐる省察
著者等紹介
岡崎宏樹[オカザキヒロキ]
1968年兵庫県生まれ。京都大学文学部哲学科(社会学専攻)卒業。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。京都大学博士(文学)。現職、神戸学院大学現代社会学部教授。専門、社会学理論、文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽん教授(非実在系)
4
バタイユの社会学的側面を、主にデュルケームの共通点・違う点を指摘しながら分析していく。デュルケームの聖なる非合理的なものを分析したところは受け継ぎつつ、制度・社会による拘束というベクトルは受け継がなかったバタイユは非合理的な生そのものを(有用性とは真逆の)至高性というキーワードを用いて考察していく。沸騰や剥き出しの生などの生々しさを味わった結果人間が嫌悪感を覚えたり逆に共感をする、という機能を重視している。用語の使い方こそバタイユは独特だが、扱っている現象は極めて本質的なものである。2021/08/08