出版社内容情報
「ローマ的なるもの」とは何か。ローマ帝国支配期のカルタゴ周辺地域では、どのような状況で異種混淆的文化が生じたのかを考察。
凡例
図1 ローマ帝国期北アフリカ地図
図2 トゥッガ平面図
序論
1 ローマ帝国支配期北アフリカ小史
2 ローマ帝国支配期北アフリカの文化に関する研究動向と問題の所在
3 文化論的転回と新しい文化史
4 本書の構成と問題設定
第I章 トゥッガにおけるマルキウス氏族とカピトリウム神殿建設
はじめに
1 トゥッガ概略
(1)二つのコミュニティ
(2)両コミュニティの保護者
2 マルキウス氏族
3 カピトリウム神殿
おわりに
第II章 トゥッガにおけるガビニウス氏族と神殿建設
はじめに
1 ガビニウス氏族
(1)ガビニウス氏族の成員とその事績
(2)ガビニウス氏族の位置づけ
2 コンコルディア、フルギフェル、リベル・パテル、ネプトゥヌス神殿
おわりに
第III章 トゥッガにおけるサトゥルヌス神殿建設
はじめに
1 2世紀後半における両コミュニティの共同奉献
2 トゥッガにおけるサトゥルヌス神殿
(1)バアルとサトゥルヌス
(2)パグスにおけるサトゥルヌス神殿建設
(3)195年のサトゥルヌス神殿建設
おわりに
第I章から第III章までの小括
第IV章 ポエニ戦争後から帝政初期におけるカルタゴの記憶
はじめに
1 カルタゴ・イメージ
(1)カルタゴ人像
(2)ハンニバル像
2 ハンニバルと国家内部の敵
(1)ハンニバルのようなローマ人
(2)ハンニバルとカティリーナ
3 ローマ政治文化におけるカルタゴ・イメージの利用(1)凱旋式要求におけるカルタゴ・イメージの利用
(2)危機と勝利
(3)理想のローマ人像と「過去」の再構築
おわりに
第V章 「理想」のローマ都市カルタゴとカエレスティス神殿
はじめに
1 ローマ帝国支配期北アフリカの文化をめぐる研究状況と記憶
2 「理想」のローマ都市カルタゴとポエニ期カルタゴの記憶
3 「カルタゴ的」宗教カエレスティスを中心に
(1)カルタゴのカエレスティス信仰をめぐる言説
(2)トゥッガのカエレスティス神殿
おわりに
結論
付録
参考文献
あとがき
初出一覧
索引
井福 剛[イフク ゴウ]
著・文・その他