目次
第１章 言語を哲学的に考えること（「学ぶ」とはどういうことか；「言葉の意味」はどのように理解されるのか；真の「学び」；哲学ということ；言語を哲学的に考えること）
第２章 「ラングの言語学」と「言語過程説」（ラングとパロール；時枝誠記の「言語過程説」；「言語過程説」とコミュニケーションの可能性）
第３章 言語と社会（ラングの実在という「不当前提」；時枝理論における「言語の社会性」；「期待」と「信頼」―ルーマン社会学の諸概念；複雑性の「縮減」―「負担の軽減」；言語の規範性―ラングへの期待）
第４章 「われわれ」という制度（「日本語」と「国語」；「国語」という概念；「国語」と「国家」；「われわれ」という「同化する排除」；「われわれ」と言語―「国語」は言語か）
第５章 言語、他者、責任（言語と他者；「語りかける」こと；他者を迎え入れること；語る主体の責任）
著者等紹介
重松健人［シゲマツタケヒト］
１９６６年生。京都大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了、博士後期課程単位取得退学。フランス・パリ第１０大学（ナンテール校）にてＤＥＡ取得。現在、京都大学大学院文学研究科、関西学院大学ならびに花園大学にて非常勤講師。宗教哲学会、日本宗教学会、実存思想協会会員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミツキ
0
後半部から面白く読めた。語ることそのものを問うなかで、それは他者に理解されることを「期待」していることが明らかとなる。分かってもらえるであうから、私は他者へ語る。たほう、他者を前にして私は絶対にその他者ではない“この私”である。私でない他者に語りかけること、私でない他者を聞き入れることが、語りの根底にはある。なぜ語るのか。他の誰も私でないからである。私しかいないなら私は黙するだけである。 ところで「国語」についても言及されているので、それに興味のある人にもおすすめである。とりわけ「国語」の教職志望の人に。2015/01/07
里々
0
ラングではなくパロール、あるいはさらにその手前から言語について哲学的に考える。ソシュールを叩き台に、時枝誠記の言語過程説、ルーマンの「信頼」、言語の暴力性、レヴィナスの他者論まで。入門書の体裁をとっているため非常に平易で読みやすい。2009/12/12
