ユダヤ人、世界と貨幣―神教と経済の4000年史

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  • サイズ A5判/ページ数 665p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861824890
  • NDC分類 316.88
  • Cコード C0033

内容説明

“ノマード”、すなわちユダヤ人たちは、人類史上、グローバリゼーションの先駆者である。数多くのユダヤ人たちは、なぜ、世界中で活躍できたのか?そして、追放、集団暴行、大量殺戮と、幾度も絶滅の危機に追い込まれたユダヤ人たちは、いったい何を守ってきたのか?この成功と苦難に満ちたユダヤ人の歩みを、さながら絵巻物のように読み解き、人類史と資本主義、最大の謎を解く。

目次

第1章 「創世記」 紀元前二〇〇〇‐紀元七〇年(古代エジプトまで―物々交換から貨幣まで;エジプトのイスラエル―銀から金へ ほか)
第2章 「出エジプト記」 七〇‐一〇九六年(ローマとともにそして神殿なく―最初のノマードのネットワーク;貨幣に対するキリスト教徒とユダヤ人 ほか)
第3章 「レヴィ記」 一〇九六‐一七八九年(より東への旅(一〇〇〇年)
金貸しと裏切り者 ほか)
第4章 「民数記」 一七八九‐一九四五年(産業革命の伝達者たち;三つの幻想 ほか)
第5章 「申命記」一九四五年‐(大地と書物;ノマードがいなければ定住者もいない ほか)

著者等紹介

アタリ,ジャック[アタリ,ジャック] [Attali,Jacques]
1943年生まれ。アルジェリアの首都アルジェ出身のユダヤ系フランス人。国立行政学院(ENA)卒業。1981‐1990年、ミッテラン政権の大統領特別補佐官を務め、多くの次世代の人材を育てた。1991‐1993年、「ヨーロッパ復興開発銀行」の初代総裁となる。1998年にはNGO「プラネット・ファイナンス」を創設し、現在も途上国支援に尽力している。2007年、サルコジ大統領に依頼され、大統領諮問委員会「アタリ政策委員会」の委員長となり、21世紀に向けてフランスを変革するための政策提言を行なった

的場昭弘[マトバアキヒロ]
1952年宮崎県生まれ。マルクス学研究者。1984年慶應義塾大学経済学研究科博士課程修了。経済学博士。一橋大学社会科学古典資料センター助手、東京造形大学助教授を経て、神奈川大学経済学部定員外教授。マルクス学の提唱者。マルクスの時代を再現し、マルクス理論の真の意味を問い続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

21
ユダヤ人の過去3000年の歴史を綴った壮大な絵巻物。11世紀以降、封建制は商人秩序と国民国家を生み出しつつあったが、10世紀の変わり目において、貨幣取引を行うのは金貸しにならざるをえなかったユダヤ人が中心であり、資本主義の誕生に融資するのはユダヤ人であった。背景には当時貨幣を豊醇な富と捉えるユダヤ人と、貨幣を不毛なものと捉えるキリスト教徒との違いがあった。貨幣が神の競争者となり、偶像の対象となる事は、唯一の神を崇拝するべきとする一神教にとっては相当に危険な事だったのだろう。"追放と自由"も本書の根幹。2019/12/02

17
返却期限が迫っていたので、主要な部分だけを抜き取るように。きちんと一字一句読み返したい気持ちもあるけれど、600ページ近くあると読むのに体力もいりそうだなあと。物語だったら楽なんだけど、歴史書で600ページはちょっと重たいなあと。時間がある時にこの一冊だけ借りて読めばいいのかもしれないけれど、そこまでして読み返したいかと言われるとうーんという感じで。でもちゃんと理解するためにはもう一回読み直したいな。時間を置いて(笑)★★★☆☆2021/01/02

roughfractus02

4
シカゴ学派から新自由主義による歴史解釈を見出すのは難しいが、フランスで新自由主義を推進したサルコジのブレインだった著者は、そのユダヤ的解釈を書物の形にしている。彼の書物が未来を展望する際に、その楽観論が現在の深刻度を浮き彫りにする理由が理解できる書物だ。「モーゼ五書」を世界史の年代に配した本書は、経済によって権力を得るゆえに政治中枢から疎まれ惨殺されるユダヤ人の放浪を辿る。経済循環によって利益を得る利他主義的道徳の他に、物的財産のように奪われない知的財産への彼らの尊重がIT社会の本質にあると気づかされる。2017/06/29

Shinsuke Mutsukura

2
無茶苦茶、読むのに時間がかかってしまった。 この本はいい本だから、おすすめします。 結局、ユダヤ人が嫌われるのは、神殺し、金融に関わって生きてきたことに尽きる。金は不浄なものだと言って、自分たちは金儲けしていた教会が原因だ。それに付随して、戦争になるとたかられるので、それで潤う、その繰り返しだろう。最後に記されていたようにディアスポラって概念は、Chineseになって、彼らが嫌われることになるのが目に見えている。 最後に7つの教訓は、参考になったので記しておく。 2022/02/12

Masako3

2
★★☆ 経済学者、仏の政治顧問でもあるシャック・アタリ氏による旧約聖書の時代からのユダヤ人の歴史と貨幣経済に関わった理由の考察が縷々述べられている。彼らは定住している民族とは異なる故に、放浪せざるを得ず、ポータブルなスキルや価値を持たざるを得なかった.また、キリスト教が貸し付けをユダヤ人に任せたことも大きい。彼らのアイデンティティは、民族学的なものではなく、宗教、あるいはその生き方にあり、異端ながら貨幣に関われる羨望ゆえに常に迫害されるリスクに面していた.翻訳はとても読みにくい。が、有益な書物だ。2020/02/18

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