内容説明
鑑真高弟・法進の「沙弥十戒并威儀経疏」の解釈から、奈良期、唐仏教が日本に移植された道筋を辿る。戒律思想の“日本化”の過程を、日本思想史的観点から独自に読み解く試み。
目次
八世紀後半における鑑真門下の戒律観考察の意義について―国家仏教論、及びその批判に関する研究史をふまえて
第1部 鑑真門流の戒律観をめぐる諸問題(鑑真門流における戒律観―『沙弥十戒并威儀経疏』をめぐって;鑑真門流における天台止観受容―『沙弥十戒并威儀経疏』をめぐって;鑑真門流における天台止観受容の背景―聖武・孝謙治世下における華厳信仰・聖徳太子信仰をめぐって)
第2部 鑑真門流の周辺をめぐる諸問題(『日本霊異記』における「天台智者の問術」と「天台智者甚深の解」;藤原仲麻呂における維摩会―『続日本紀』天平宝字元年の奏上をめぐって;諌臣の系譜―『藤氏家伝』における君臣関係の理想像)
法進における戒律の達成とその後―鑑真一門の跡を嗣ぐ者たち
著者等紹介
冨樫進[トガシススム]
1973年生まれ。神奈川県出身。1997年、慶應義塾大学文学部卒業。2006年、東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。博士(文学)。仙台育英学園高等学校非常勤講師、東北大学大学院文学研究科専門研究員、同教育研究支援者を経て、現在東北大学大学院文学研究科助教。専門は古代仏教思想・古代政治思想(君臣論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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