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内容説明
芳年が最期に辿りついた極致。大胆かつ繊細な構図、粋を極めた彫りや摺りの美しさが冴え渡る月光下、100の物語。“月百姿”をより味わう鍵となるコラムも収録。
目次
第1章 麗しき女性たち
第2章 妖怪・幽霊・神仏
第3章 勇ましき男性たち
第4章 風雅・郷愁・悲哀
著者等紹介
日野原健司[ヒノハラケンジ]
1974年千葉県生。慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了。太田記念美術館主席学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベル@bell-zou
15
月とコラボレーションの百枚。見飽きない一冊だ。ただ細やかなだけでなくこだわりが感じられるからだろうか。見る角度でそれがわかる"正面摺"という技法の粋。ひねりと工夫のある構図。特に着物の色柄と合わせや裾の重なり、動きのわかる皺の寄り方などを面白く眺めた。物語の一瞬を切り取った一枚なのにその前後まで感じられる。既視感があった「妖怪百物語」よりもこちらの方がたのしめた。2022/05/07
rapo
7
芳年といえば衝撃的な「血みどろ」のイメージが大きかったが、それとは違った100の「月百姿」一枚一枚の浮世絵の中に壮大な物語性を感じる。人物の表情や仕草はもちろん、後ろ姿や大胆な構図の中に想像が広がり、物語の世界に引き込まれる。上手い!と思わずため息がでた。2019/03/10
ポメ子
6
9月なので、月の本を読もうと思った。 説話、武将など色々な所から題材を探してくる芳年に脱帽。でもやはり、私はススキと月ときつねが描かれている絵が、秋っぽくて惹かれた。2022/09/06
m
4
見応えたっぷりの約百枚の絵。日本史的にも有名な人物だったり、中国の人や物語の中の人だったり、選ぶ基準が気になるところ。一度は本物を見てみたい。2019/04/02
大臣ぐサン
3
2017年太田記念美術館で開催された月岡芳年《月百姿》に併せて出版された公式図録。《月百姿》は月岡芳年最晩年の名作。血みどろ絵、無残絵のイメージが強い芳年だが、この《月百姿》はその血なまぐさいイメージを一掃させることだろう。まさに最後の浮世絵師による浮世絵の完結篇だ。個人的な好みでは《源氏夕顔巻》が最高。2019/07/17