出版社内容情報
昭和の子供たちが空想した、懐かしの21世紀像。
月旅行・宇宙都市・終末論―イラストに描かれたトンデモ未来とは!?
拝啓 かつて少年・少女であったみなさま
これからご覧頂くは1950~70年代に子ども向けメディアに掲載された「未来予想図」、 空想、夢想、妄想に基づいた文字通り荒唐無稽なトンデモ未来観です。
昭和の子どもたちが「嘘だぁ!」なんて言いながらも、
心のどこかでちょっぴり信じて楽しんだ21世紀は一体どこへ…??
タイムマシンに乗り込んで、「こうならなかった21世紀」をめぐる時間旅行へ出かけましょう。
そして誰も未来を語らなくなった現実の21世紀で、これからの未来のはなしをしよう。敬具
○空想科学イラストの巨匠・小松崎茂の作品ほか、70′sサブカルの禁断の書「なぜなに学習図鑑」などに掲載された図版を収録。
○人工太陽、大終末、地球大脱出、月旅行…懐かしのキーワードとともに“あの頃”がよみがえります。
○「暮らし」「交通」「ロボット」「コンピューター」「宇宙」「終末」のジャンル別紹介。
○ビジュアル文庫シリーズ最新刊!“ちびっこレトロフューチャー”第三弾!
内容説明
本書には1950~70年代の間に、さまざまな子供向けのメディアに掲載された“未来予想図”が収録されています。小松崎茂、石原豪人をはじめとする空想科学イラストの巨匠たちが描いた未来画を暮らし、交通、ロボット、コンピューター、宇宙、終末の六項目に分けて紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
65
少年向け雑誌の巻頭グラビアページが懐かしい。少し古めのもあったけどそれでも50~60年前の未来はこんなのだったのだと頷くのやらおかしいのやら。人は空に浮かんでいないし海の中に住んでないけど、一部あたっているのもある。温暖化やそれに伴う海面の上昇など。暑すぎて人が燃えている絵には戦慄!!コンピューターも昔は電子頭脳や電子計算機と言われていた。でもそれほど幸せになったという実感もないし世界中で戦争やっているし・・・。22世紀になったときの世の中を描いた絵というのを見たいけど 一年先が読めない現代、無理なのかも2016/08/10
おいしゃん
42
50年前の少年向け雑誌に載っていた「50年後の未来予想図」を集めた本。年を追うにつれ、輝き溢れる未来図から、終末感が増して行くのが興味深い。2018/02/23
ともひろ
23
1950年から1970年代に描かれた21世紀を集めた作品。結構、あたってたりして面白い。昔のアニメに出てくる21世紀像ってワクワクさせるものがあったけど、最近は未来を想像させるような作品がないのが残念です。2016/07/19
兵士O
22
子どもの頃、映画「宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」を観た時、この本にあるようなチューブ交通網があったことを思い出します。確か、古代進と森雪が未来カーに一緒に乗っていて、ハネムーンだったように記憶しています。今でこそ21世紀になり、この本にあるような熱い未来像が色褪せて、こうして無為に生きているような感じがしますが、だからこそこの本のテンションの高さを思い出すべきなのかな、と思いました。個人的には、「母親ロボット」が機械の伸びるおっぱいで5歳ぐらいの子供に授乳しているシーンが印象に残りました。全然エロくない。2019/08/19
更紗蝦
19
原子力などの科学技術、人間の労働を全て請け負うロボット、人類の宇宙進出などを描いた「未来予想図」の数々は、今となっては痛々しい半面、そういうイメージを「消費」して楽しんでいた昭和世代には懐かしさを感じてしまいます。コンピュータによる恐怖支配や文明が滅亡しかかった未来などのディストピアすらも「消費」の対象にしていたことを考えると、いかに昭和世代は未来を楽しむことに貪欲だったことか…。現在の日本にあるのは未来への期待でも好奇心でもなく、「日本の科学力なら原発事故くらい解決できる」というような無責任さです。2015/03/03