目次
弘前―津軽氏の放射状拡張計画
盛岡―南部藩による北上川水運開発
仙台―杜の都・段丘上のグランドプラン
秋田―出羽国・雄物川河口の要衝
米沢―鷹山が残した伝統食とウコギの垣根
福島―阿武隈川舟運の拠点
会津若松―会津戦争の痕跡をたどる
白河―奥州への東山道口の関門
水戸―若き武士が集った弘道館と偕楽園
土浦―湿地帯に浮かぶ亀城〔ほか〕
著者等紹介
野間晴雄[ノマハルオ]
関西大学・教授。1953年生。農業・農村地理学、歴史地理学が専門
山近博義[ヤマチカヒロヨシ]
大阪教育大学・教授。1960年生。歴史地理学が専門
矢野司郎[ヤノシロウ]
京都明徳高等学校・教諭。1960年生。歴史地理学、地理教育が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
10
全国すべての城下町66の地図と、立地や城絵図との対象、武家屋敷や町屋等を記した本。とっつきやすさはない。25000分の1の地図に地図記号をいれただけで、詳細な名称とかは載ってないから中途半端というか、これだけもって歩く意味はないというか、…もうちょっと使用目的とあわせて使いやすさを追ってもよいのでは。2020/07/18
アメヲトコ
5
2020年刊。北は弘前、南は鹿児島までの66の城下町を取り上げて、旧版地形図と現在の地形図を見開きで並べて解説を付した一冊。全国の旧城下町を全て2万5000分の1スケールで比較通覧できるのがよく、じっくり読むと面白いです。戦災復興で町をズタズタにされた福井や津が痛ましい。なお旧武家地は明治期に農村化してしまったところも少なくなく、旧版地形図だけではかつての城下町の拡がりが判別しがたいところがあり、近世の城下町図も欲しかったところ。掲載される「主図合結記」は簡略に過ぎておよそ比較には向きません。2022/07/07
kaz
2
馴染みのない街が多く、残念ながらあまりピンと来なかった。図書館の内容紹介は『弘前、京都、鹿児島…。日本各地にある近世城下町のなかから66の城下町を選び、明治期の古い地形図や江戸時代の城絵図、最新の地形図とともに、町の変貌、探訪の見どころ、地形などを解説する。見返しに地図記号あり』。 2022/03/09
tkmt
2
日本の都市の多くが織豊~江戸期の築城を起源としており、各都市について古地図を踏まえながら解説した本。都市においては明治への構造の転換において、不要となった軍事施設である武家屋敷地域の用途転換がなされ、現代に通じる商業の中心地となった例が多い。2021/08/28
のぶ
1
カバーにお城近辺の(なぜか松江限定)写真が(地図以外では)計3枚、でも観光ガイド的な意味も幾分かはありそうな本なのに、本文中には写真が1枚も見当たらない、見事に徹底した本です。見開きの、左頁には「主図合結記」の矢野本と呼ばれる版からの古地図と、明治期の地形図、右頁が現代の地形図、下1/4は解説文、66都市について統一したフォーマットを貫いてあります。各都市について詳しい人が分担して解説を執筆しているものだから、狭いスペースに城や町の成立ち・経緯・現状と溢れんばかりの情報が詰め込まれ、物凄い圧縮率の本です。2020/08/01