内容説明
知的一点豪華主義は通用しない。知るより考える―これが大人の思想。知の布石と思考の角度を楽しむ知的生活再考。やさしい語り口で常識の盲点をつく外山滋比古の待望のエッセイ。
目次
1 大人の思想(すてる;敬遠・和の思想;「悪」も悪くない;独創―まねない;“純”と“雑”;ことばとこころ)
2 知的生活再考(知的生活;分析・統合・創造;忘れる)
3 島国考(パブリック・スクール;コンサヴァティヴ;島国考)
4 フィナーレの思想(ライフワークの花;フィナーレの思想)
著者等紹介
外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年愛知県生まれ。評論家、エッセイスト。東京文理大学卒。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授などを歴任。専門の英文学はもとより、修辞学、教育論、ジャーナリズム論、意味論などに言及(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤の香り
11
本屋さんで手に取ったときに目に飛び込んできたフレーズに惹きつけられ、「これは今読まなければいけない!」と購入。 いつまでたっても円熟しない人、立ち上がりは急速に伸びてもすぐに枯れてしまう人。自分のことを言われているようでドキッとしました。これからの生き方の参考にしてみたい内容。2015/11/21
nizimasu
9
ついつい外山先生の本は手にしてしまうのです。今回は「忘れること」の大事さについて書いていて読んでいて清々しい。知識をインプットしすぎてしまうと人間の思考は知識にとらわれてしまうという話。これはとても興味深い。ならば忘れてしまえばいいと先生は言い切る。その手法にはインプット自体を減らしてしまうこともさることながら、睡眠や運動、散歩なんかもいいという。元気に健やかに暮らしている実例ともいえる言葉だけに説得力がある。今の時代、物を減らすだけでなく知識を溜めすぎるが故の「澱」のようなものも忘れていく事が大事なのか2015/09/06
蒼田 友
7
今回の外山先生の本は、最初の数ページで読み物として進めていこうと思っていたが終盤にかけてやはり自身の糧にしていく事になるかなと思いました。カクテルや切り花の例え話は、日頃自分が悩んでいるところでもある。借り物借り物で出来ている自分に疑問を抱いているのは数年前から。何か自分で作り出したいという気持ちはあるのだが。日本全体がそうだとすると覆すのも難しいかもしれないが、がんばってみよう。2019/10/24
makimaki
3
「思想」を変える。見方を変える。これまで「正」と、「悪」と、思っていたことも逆の発想になる。「知的メタボリック症候群」に、「何でも知っているバカ」に、ドキッとした。2016/03/29
nori
2
2015年の本ですが、根幹は1983年刊行の『ライフワークの思想』から来ています。 心に引っかかったキーワードは『復元力』『エディターシップ』『切り花から根本へ≒カクテルと地酒』あたり。島国考の項はいまいち消化不良。時間をおいて再読します。2020/10/28