内容説明
業界トップ企業、衰退業種の中の成長企業、71年間赤字なしの優良企業―どの会社も、「人に対するやさしさ」が最強の武器なのです。思わず胸が熱くなる5社の、本当の物語。
目次
プロローグ 会社にとって「いちばん大切なこと」
大切にしたい会社1―衰退するせんべい業界でトップを独走する「ぬくもりの経営」の会社(株式会社小松製菓(岩手県二戸市))
大切にしたい会社2―「幸せ日本一」をめざして四世代から愛される、笑顔いっぱいのレストラン(株式会社坂東太郎(茨城県古河市))
大切にしたい会社3―限りない優しさがあるからみんなが嬉々として働くランドセルメーカー(株式会社協和(東京都千代田区))
大切にしたい会社4―たった1個の注文にも応える町工場魂が日本のモノづくりを支える(東海バネ工業株式会社(大阪府大阪市))
大切にしたい会社5―逆に健常者が差別される!?障がい者雇用率102.6%の奇跡の株式会社(株式会社障がい者つくし更生会(福岡県大野城市))
著者等紹介
坂本光司[サカモトコウジ]
法政大学大学院政策創造研究科教授。同大学院静岡サテライトキャンパス長、NPO法人オールしずおかベストコミュニティ理事長。「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査委員長。他に国・県・市町、産業支援機関の公職多数。専門は「中小企業経営論」「地域経済論」「福祉産業論」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kentaro
47
南部せんべいの小松製菓には、創業者の小松シキさんの「シキの言葉」がたくさん残っている。「社員はお客さま」 「若いときは汗を流せ」 「お天道さまは見ているよ」シキさんは結婚して家を出たあとも、叔母さんに感謝の気持ちを忘れず、毎年着物やお金を送り続けていた。 叔母さんが亡くなるとき、臨終の場に駆けつけたシキさんの手を握って、彼女はこう言いました。「死んでもおまえを守るから、ありがとう」 何があっても恨まず、憎まず、感謝する。受けた恩に報いる生き方がシキさんの人生を、そして小松製菓の未来を切り開いたのだと思う。2021/03/25
山田太郎
45
社長の方針というか考えっていうのは大事なんだと再確認。従業員大事にしないといけないのもわかるけど、難しいもんだとは思うが。権利ばかり主張する人間も多いような。2013/12/25
壱萬弐仟縁
19
経営と人。社内外の社員と家族。顧客。住民(殊に社会的弱者)。株主・出資者・支援者らスポンサー(17頁)。とりわけ、住民を置き去りにするケースがCSRをシビアに問うてやればよい。謝罪するつもりはないのがいる。住民を病に追い込んで誤っているのに謝らないのだ。小松製菓の小さく・狭く・濃く・深く(57頁)に共感。本書はブラック企業経営者が先ず、読んでもらいたい一冊。坂東太郎の親孝行。幸せ。仲間を大切に。取引業者を大切に。地域貢献(96頁~)。シンプルだがわかりやすい企業哲学。人に優しい会社は滅びない(142頁)。2014/02/06
ふろんた
14
シリーズで一貫していることは、障がい者であっても働くことの喜びを得たいということ。従業員を仕入先を顧客を地域を大事にする余地は発想次第でまだまだあると感じました。2015/03/01
ふぇるけん
11
このシリーズは何度読んでも良い。このシリーズをきっかけに利益重視、株主重視の経営に疑問を感じました。そして、従業員を守り、取引先にも無理な値切りを行わず、かつ利益を出している企業があることに救われます。ランドセルは絶対に協和で買います。そして、グローバルスタンダードというものを盲信せず、信念のある経営を行う企業がもっと日本に広がって欲しいと思います。2014/01/26