空白小説

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空白小説

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  • サイズ 46判/ページ数 249p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784847071416
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C8393

出版社内容情報

シリーズ累計50万部突破!
『54字の物語』の著者が贈る
5分で読める49話

『空白小説』は、書き出しと結びの文だけがはじめから決まっているショートショート集です。
その間の空白をどう埋めるかで、物語は予想できない方向へと展開し、書き出しと結びのもつ意味は大きく変わります。
あなたは「空白」の展開を予想できますか?

〇吾輩は猫である  →  名前はまだない
〇犯人はこの中にいる  →  私がやりました
〇昔々あるところにおばあさんがいました  →  いつまでも幸せに暮らしました
など

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(本文より)

〇吾輩は猫である→名前はまだない

 吾輩は猫である。誰よりも自由な猫である。
家の塀にひょいと飛び乗り、ふわぁとあくびをする。そこへひとりの少女がやってきた。少しだけ撫でさせてやろうと「にゃあ」と声をかける。しかし少女は「ひっ」と悲鳴をあげ、どこかへ逃げていった。
 しばらくすると怪訝な顔をした人間の大人たちが集まってきた。あっという間に屈強な男たちに取り押さえられ、吾輩は眠らされてしまった。
 目を覚ますと、吾輩は薬品の匂いのする部屋にいた。周りで白衣を着た男たちが首をかしげている。
「自分を猫だと思い込んでいるようです」
「見た目は中年の男だぞ」
「ですが実際に尻尾まで生えてきています」
「海外でも最近似たような症例が増えているとか」
「病名は?」
「発見されたばかりの病気だ。名前はまだない」
(『自由』より要約)

内容説明

書き出しと結びが決まっているショートショート集。『54字の物語』の著者が贈る5分で読める49話(7テーマ×7編)

著者等紹介

氏田雄介[ウジタユウスケ]
平成元年、愛知県生まれ。企画作家。株式会社考え中代表。「ツッコミかるた」や「ブレストカード」など、ゲームの企画も手がける

小狐裕介[コギツネユウスケ]
小説家。2017年『ショートショートの宝箱』(光文社)に「ふしぎな駄菓子屋」が掲載され作家としてデビュー。幼い頃から物語を作り続け、漫画制作・映画製作などを経て2010年頃からショートストーリーの執筆を開始

水谷健吾[ミズタニケンゴ]
1990年、愛知県生まれ。作家、脚本家。現在はショートショート小説、チャットノベル、音声コンテンツ、舞台脚本を中心に活動。舞台『捏造タイムスリップ』が2019年佐藤佐吉優秀脚本賞、舞台『つじつま合わせのタイムパトローラー』が2020年劇団EXPO最優秀作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

*+:。.もも.。:+*

17
始めと終わりは決まってるが間は全然違う話。どれが誰の作か分からないけど合作なのかな。ショートショートあるあるなのかゾッとする話が多い。心温まる話ももう少しほしいところ。2023/04/18

きたさん

12
書き出しと結びが決まっている、という他は割と普通のショートショート集。ただその書き出しと結びが有名なフレーズであるので一定のイメージが湧いてきやすいし、そのイメージを覆すような内容にすることである程度面白さが保証されていたのかな、と思います。内容はベタなのに、「犯人はこの中にいる」で始まる「悲鳴」が好きらしく、思わずニヤニヤしてしまった。2022/06/03

まつどの理系こうし(まりこ)

10
「吾輩は猫である。___名前はまだない。」「地球は青かった。____人類にとっては大きな一歩である。」「七時になりました。_____今日も元気に行ってらっしゃい」など、決まった文頭から、決まった文末へ向かうための間を埋めてお話を作るショートショート。つくりが面白いのでサクサク読めました。SFっぽいものが多かったのは何故でしょうか。いくつかぞくっとくるものもありました。しかし、印象に残るようなお話はそんなに多くなかったです。同じようなルールのもとでお話を書くというのも楽しそう。2022/08/15

Te Quitor

9
「面白さがある程度担保された」優秀な小説。有名な二つのフレーズ(例えば『吾輩は猫である』『名前はまだない』)、その行間に、物語を生み出した短編集。有名な言葉たちが「書き出し」と「締め」を担っているから、頭の中にイメージが湧きやすく、助かった。頭にこびりついている固定観念、イメージを崩すことの面白さがある。一つの言葉の捉え方は、作家によって全く違うんだ。物語に感心するという楽しみ方ができるのが良いな。でも、なんか、小説というより「大喜利」のようだ。表紙がとてもお洒落だね。2022/08/13

meg

5
誰もが聞いたことのある書き出しと結びの2文の間を埋めて、全く新しい物語を作ろうという斬新なショートショート集。サクッと読めるので、気分転換にどうぞ。流行りの朝活とやらをリスペクトしたような馬鹿にしたような作品、「モーニング・インストーラー」が面白かった。(朝弱い私は共感しかないけど、マジの意識高い人には意味が分からないかもしれない。)小説に新しい試みを、という前のめりさはハナマル100点満点だけど、似たような設定が多かったので、各話の切り口や角度、メッセージ性にバラエティがあるともっと良いなー、と思った。2022/10/14

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