出版社内容情報
好きと嫌いは立場や思想を越える。立場は同じでも好きになれない人もいるし、思想は違っても気になる人もいる。「辛口」評論家佐高信が出会った、経済人、政治家、小説家、音楽家、漫画家、芸能人、学者から「怪しげな」人物まで、各界で活躍する多士済々の人物124人を鋭く、そして暖かく描いた人物事典。
内容説明
好きと嫌いは立場や思想を越える。立場は同じでも好きになれない人もいるし、思想は違っても気になる人もいる。そんなことを考えながら、私の出会った124人に登場いただいた。
目次
青木雄二―「神はおらん」の青木雄二
阿川佐和子―無口な阿川佐和子がいた
浅井慎平―春日井建の遊び友だち、浅井慎平
渥美清―放哉を演じたかった渥美清
荒木経惟―天才アラーキーとのカラオケ
有馬稲子―有馬稲子と俳句談義
石川さゆり―石川さゆりならぬさそり
石原慎太郎―すれてない石原慎太郎への弔辞
伊東正義―総理の座を蹴った伊東正義
井上陽水―得意手以外でもてたい井上陽水〔ほか〕
著者等紹介
佐高信[サタカマコト]
1945年、山形県酒田市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。高校教師、経済誌編集長を経て、評論家となる。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
83
いつも佐高さんの本を読んだ後は、毒舌と悪口雑言に辟易として、もう二度と読むまいと決意するのだが、不思議とまた手にしてしまう。この人にはそんな麻薬性がある。でも、佐高さんも随分丸くなったか、124人を取り上げた本書では、毒が薄まり優しさが優越している。確かに、小泉純一郎、竹中平蔵、小池百合子、曽野綾子各氏に対する鋭い舌鋒は健在だが、考えの違う相手でも、人間性に共感すれば、自身の評価の転向を厭わない態度はフェアである。考えに賛同するかどうかと、好きか嫌いかを、律して峻別する価値観を持つ佐高さんは立派だと思う。2022/06/21
じいじ
58
佐高氏は1945年生まれで、ほぼ同年代を生きてきたので親近感を感じます。近頃ネットでの氏を見ると、いくぶん柔和になられましたが、頑固一徹でまったくブレないところは、歳を重ねても変わらずで大好きです。さて近作のこちら、政治から芸能界まで広分野での交友ぶりが窺えて面白い。氏の好きな人だけでなく「嫌いな人」肌の合わない人を奇をてらわず書いているのがいいですね。石原慎太郎が「嫌い」は合点が行きましたが、小生が大好きな吉永小百合が「嫌い」は意外でした。政治の生々しい話は「読メ」ではすべきでないので自重することに…。2024/02/08
ひかりパパ
12
佐高信が出会った政治家、学者、俳優、俳人、作家など124人の人物評。思想や立場は違っていても親交を深め、リスペクトする著者は懐が深い。政治家や経済人をバッサリと斬り捨てる怖い顔を持ちながらも、弱いものへの眼差しは優しい。高校教師を辞め、山形から上京し、「濁職」の業界誌記者となり、様々な苦労をしてきたなかで観察眼が磨かれたのだろう。2022/03/03
のせなーだ
2
色々な人間登場。人生で接近したいか、回避したい人間。心ある、むの氏、三輪氏が本当に快なら、小池、小泉(不、単)純一郎氏は不快、曽野綾子氏は上から目線の説教本多数並べても聞く耳持たずの対談拒否とは一方的で恥ずかしい。著者の呼び名で「説教婆さん」とはね。年を重ねても自分の立ち位置の自覚、誠実さ謙虚さのある方は美しいな。品性の美は何より無敵なのだわ。「どんな状況の中でも口笛を吹いて行こう」の引用は認知症の父の口笛の映像と共に胸に熱くしみる。「とにかく笑えれば・・ハハハと笑えれば」なんてねえ。 2023/01/06
ロバーツ
0
佐高信の人物論集。以前に比べると毒気が薄い。2022/12/29