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内容説明
セクシュアリティとは、生物学的性(セックス)や、心理的・文化的性差(ジェンダー)の枠組みとは異なる、性的欲望のあり方を総称する言葉である。これまでの「性」についての研究は、動物学・医学・心理学など自然科学における領域が中心的であった。しかし、およそ三〇年前に、フーコーがこれまで“自明”のものとされてきた「性」に、“歴史がある”という考え方を打ち出し、性的欲望が歴史的に構成されてきたという視点を示したことから、セクシュアリティの言説分析が中心課題となり、人文社会科学の研究対象となった。本企画では、明治期から戦後までの近代日本のセクシュアリティなどに関わる言説がどのように構築されてきたのかを展望し、考察できるように、埋もれていた重要な資料の発掘に心がけた。「性」という私たちにもっとも身近な視点から照射された「近代日本」は、これまでとは異なった視点を読者に供する。第四回配本では「風俗からみるセクシュアリティ」と題し、大正期より昭和初年代までの単行本を厳選し収録した。
目次
『竿頭の蛇』(北村兼子)
『怪貞操』(北村兼子)