幽ブックス<br> 鳥のうた、魚のうた

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幽ブックス
鳥のうた、魚のうた

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784840145879
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報



小島 水青[コジマ ミズオ]
著・文・その他

内容説明

『鳥のうた、魚のうた』―いまは無人の、かつて老婆が住んでいた廃屋に棲み付き、流行歌「木綿のハンカチーフ」を調子外れに歌う鶏。人の頭を付けたこの奇妙な生き物は私の姉だ。不吉な予言を奇声とともに口走る彼女に秘かに会いに行くのを重ねていたある日、私は同じクラスの尾崎から呼び出される。それには、溺死した下級生の少女の謎がからんでいるようなのだが…。第6回『幽』怪談文学賞大賞受賞作。受賞作に書き下ろしを加えた全6編を収録。

著者等紹介

小島水青[コジマミズオ]
1970年、埼玉県生まれ。東京デザイナー学院編集デザイン科卒業。2011年、「鳥のうた、魚のうた」で、第6回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞。2012年、書き下ろしを加えた短編集『鳥のうた、魚のうた』がデビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いたろう

47
著者初読み。表題作を含む6編の短編集。表題作で、「幽」怪談文学賞 短編部門 大賞受賞ということで、位置づけは怪談集なのかもしれないが、実際には、ホラー、恐怖話と言うより、異形のもの、この世ならぬ者との邂逅をめぐる幻想小説集といった感じ。表題作の死んだ人間の顔を持つ鶏、魚、「豊魚神」の人肉を喰らう足のある人魚、「去ぬ夏は甘苦しきとぞジャムの瓶」の玉虫が化けた少年少女、などの造形が作り出す異相世界が堪らない。特に「去ぬ夏は~」は、怪談、幻想小説という括りで語るとその価値を減じてしまいかねない文学作品。2015/07/20

ヒロ@いつも心に太陽を!

40
《この、人の頭をつけた奇妙な鶏は、私の姉だ。》帯の文句と表紙絵に釣られた一冊。『幽』怪談文学賞の大賞というからどれほどの怖さを味わえるのかと思っていたが、これは賞の選者や他の読者たちが感想にのべたように「怖い」というよりも「不気味」な短編集だった。正直にいえば、表題作と「豊漁神」くらいしか私の興味は惹かれず。あまり私の感覚では面白いとは感じられなかった。上の2作に関してはその姿を想像出来るだけに「うわぁ・・・気味悪い」と印象に残ったまで。次作に期待、かな。2013/01/26

あたびー

39
著者初読み。表題作は、打ち捨てられた屋敷神に祈ると夭逝した姉が鶏の体に女の顔で現れ、不吉な予言をして「木綿のハンカチーフ」を音外れに歌うと言う、目にも耳にも不気味な話。他に「安藤くんのプレゼント」「豊漁神」「アンのこめかみ」「雪女を釣りに」「去ぬ夏は甘苦きとぞジャムの瓶」収録。表題作以外は幻想的で不思議な出来事が起こるが不気味なという程では無い。作者は豊富な語彙を駆使して言葉を選んでいると思った。一方侍が「スープ」にするために根菜を引き抜いていると言うような茶目っ気がある。2022/08/29

nyanco

31
受賞作「鳥のうた、魚のうた」は、子供時代の不思議な体験が実に不気味に描かれ、怖かった。町田尚子さんの装丁も物語にピッタリでした。「安藤くんのプレゼント」も実に気味が悪かった。受賞作以外は、え・・・それで?というラスト。敢えて理由やその後を書かないことで怖さだけを際立出せたかったのかな。私は、もう少し最後に怖さをそそるような感じのほうが好きなのだけど・・・次の作品、楽しみにさせていただきます。2012/07/21

カピバラ

26
全体的に、じめじめした印象。水浸しの手でべたべた触られたような不快感が付きまとい、そくっとする内容。鳥とか、魚って何考えているかわからないからこわいんだよな~。2014/07/15

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