るんびにの子供

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784840118552
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

平凡な主婦の、当たり前な毎日―臙脂色のスカートをはいた、久美ちゃんが見えること以外は。嫁と姑の重苦しい日常にちらつく、少女の影は何をもたらすのか。何気ない暮らしにひたひたと入りまじる怪異を描く、怪談文学の神髄五編。『幽』怪談文学賞短編部門大賞受賞作。

著者等紹介

宇佐見まこと[ウサミマコト]
1957年、愛媛県生まれ。2006年、「るんびにの子供」で第1回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

184
貴重な怪談ホラー系ミステリ文学女流作家・宇佐美まことさんの秀作5編を収録したデビュー短編集です。著者もまた時々おられる名前だけでは男女の判断が難しい作家さんですね。私は個人的にはもっとオープンに紹介して欲しいと思うのですが、いろいろと事情がお有りなのかも知れませんね。さて、本作はどれも本格的な現代の怪談噺で笑いは一切なく必ずや不幸の極みで幕を閉じる完成度の高い作品群ですね。私は自分が人に見えない怪異や物の怪を見たり感じたりできる鋭い霊感の持ち主ではない事を真剣に感謝したいですね。久美ちゃん一生来ないでね。2019/12/29

nobby

164
いやはや、デビュー作からすっかり出来上がってたんだね!40頁前後での短編5つとも、特別な閉鎖的ムラ社会とか伝承や風習などに頼らず、我々の近くにもある様な何気ない日常で存分にゾワッとさせられる!ザクロや手袋・水といった容易に頭に浮かぶモノから、あからさまに怪しさ導き出すのも絶妙。一番のお気に入りは「手袋」もう冒頭から予測出来る不可思議さと、ある事件と家族の背景が徐々に重なり至るラストにゾワゾワ…認知症からの曖昧さが生む非現実的な展開に息を呑む「柘榴の家」も好み。何より最後の一文辺りが残すインパクトがスゴい!2019/06/07

いつでも母さん

147
宇佐美まことはここから始まったのかぁ。タイトル作を含む短編5作。読友さんがお薦めするのも肯ける。するっと読めるのにちょっとざわっともする。好みはタイトル作と『手袋』だがどれも良い。タイトル作の冒頭8行で宇佐美まことの世界に引き込まれる。もっと読みたくなるのは私だけじゃないだろう。2017/08/22

mint☆

123
第1回「幽」怪談文学賞『短編部門』大賞受賞作。宇佐美さんのデビュー作なんですね。印象に残るタイトルで手に取りました。怖いのは幽霊なのか生きている人間なのか。目を塞ぎたくなるような怖さというより日常生活のなかでふとゾワッとする感覚。単行本で読みましたが文庫版だと二編追加されているとのことなので、そちらも読んでみたい。2020/09/21

aquamarine

96
怪談文学賞をとり、デビュー作となった本作。デビュー作とは思えないしっかりとした5編が収録されている。「るんびに」という興味をそそられる題名をつけるだけでも凄い。勿論ホラーで、この世のものではないものが出てくるのだが、語り手に対する害意を感じないからか、なぜかあまり怖くはない。想像通りのはずなのにそれでもラストに驚いた「石榴の家」、軽々しく落ちているものを拾ったりできないと感じた「手袋」が印象的。2020/09/10

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