目次
第1章 2001~2005年:タックシンの時代
第2章 2005~2006年:黄色派の形成
第3章 2006~2007年:クーデタと赤シャツの誕生
第4章 ゲーム開始
第5章 2008年8月29日:法治社会の崩壊
第6章 2008年9月2日:マカーワン橋の闘い
第7章 2008年10月7日:黒い火曜日
第8章 余波、幕間
第9章 最後の決戦
第10章 アピシットへの抗議
第11章 ゲームは終わらない
著者等紹介
大野浩[オオノヒロシ]
1956年東京生まれ。1979年、慶応義塾大学経済学部卒、太陽神戸銀行入行。シンガポール支店、ロンドン支店勤務を経て、1998~2001年、タイさくら金融証券会社、タイさくら金融会社勤務。2007~2010年、財団法人日本タイ協会事務局長、常務理事。2011年、三明化成株式会社勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Akihiro Nishio
22
2006年から始まったタイの政治的混迷の解説。ざっくり言えば黄シャツ派=(既得権側、保守、軍隊、司法権力、愛国主義)、赤シャツ派=(地方貧困層、リベラル、タックシン支持)と考えてよい。タックシンにより利権から外されたマスコミ権力が、黄シャツ派を作り、反タックシン活動を展開。選挙では、黄シャツ側が5戦5敗なのに、軍隊によるクーデター、司法による強制解党、暴力による行政府や空港の占拠などにより、その都度ひっくり返して政権を奪う。また、不敬罪での逮捕を乱発したり、領土問題を突如持ち出して愛国を刺激したり。2017/09/19
星空の挑戦者
3
2014年はこの本の時の反動からPDA系は非暴力主体のデモ行進となったが、バンコクの治安関係は皆それを認めてるところがすごい。この本に登場した激しい赤シャツはどこに行ったのか。PDA支持系のセントラルワールドの破壊度は今みても強烈。2014/05/08
Tom Zacky
2
濃い!( ゚Д゚)㌦ァ!! 濃すぎる!w びっくりすぎるぐらい細かい!∑(゚ω゚ノ)ノ にしてもここまでのジャーナリズム。 恐ろしい>< 赤服の脅威が良くわかり&近年のタイ情勢がよくわかります^^2012/11/12
isao_key
2
「タイ国情報」に訳者によるこの本の解説が載っていて、読みたいと思っていた本。いや、面白かった。知らない事実もいっぱいあった。著者はドイツ人の元バックパッカーで1993年以来タイに住んでいるカメラマン。長年タイに住んでいるのでタイ語も堪能だそうで、タイ社会についてよく理解している。はじめにでも、タイの最高レベルの政治システムが田舎やバンコクの路上で見てきた親分-子分のメカニズムに酷似しているという鋭い指摘を読んでもよく分かる。PDAはますますカルト化していき、民衆の支持を受けいられなくなってきているようだ。2012/09/29
Yasutaka Nishimoto
1
2006年から始まったPAD黄シャツのデモと、遅れて赤シャツ(UDD)として対立したタイの内乱は、日本での報道を見ていると分かりづらく、反タクシン派とタクシン派という主張の違う2つのグループが揉めているようにしか見えないのだが、ドイツ人ジャーナリストである著者の写真と、踏み込んだ取材によって、雰囲気だけは伝わってきた。黄シャツがどうにも胡散臭く感じられるのも理解できる。2006年の時には4日前までバンコクに滞在しており、その後も毎年訪れていたが、結構危なかったんだなぁと今更ながら思う。2016/06/05