内容説明
ダイナミズムと生命力、躍動する神楽の場へ。神楽の迷宮に「宗教芸能」としての道筋をつらぬく。豊潤な世界へと導く「神楽詞華集」という挑戦。
目次
提題にかえて(よみがえる中世の神事たち―備中吉備津宮の祭礼)
神楽の成立とその歴史(佐陀神能をめぐる宗教者と祭祀―神能成立の過程を中心に;神子と修験―黒森神楽をめぐって)
神楽の庭へ(法者神楽の法脈―甲賀・油日神社、対馬・八幡宮、豊後・柞原八幡宮;天龍川水系の神楽―オコナイと霜月祭から)
神楽の担い手たち―法者と呪師(両部神道と神楽―「法者」の伝承を辿る;呪師の芸能と神楽―備前一宮祭礼を中心に)
宗教芸能としての神楽(「鐘巻」のドラマトゥルギー―能と早池峰神楽をめぐって;仮面の呪術・祭祀・芸能としての神楽へ)
研究展望(神楽研究の再構築へ向けて)
著者等紹介
山本ひろ子[ヤマモトヒロコ]
1946年生まれ。日本宗教思想史。私塾「成城寺小屋講座」主宰。和光大学名誉教授
松尾恒一[マツオコウイチ]
1963年生まれ。民俗宗教・民間信仰。国立歴史民俗博物館教授・千葉大学大学院客員教授
福田晃[フクダアキラ]
1932年生まれ。国文学(中世文学・伝承文学)。立命館大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
31
神楽は、日本の土着信仰や民話、大衆演劇などがごったになっていて由来もあやふや。評価がすごく難しい分野だと思う。けれども私はその混沌したところがすごく好き。だからこそ学術的な説明を読むのが楽しみで手に取ったけれど、余計疑問が増えたような…。早池峰神楽は色々な題材があるけれどなぜ鐘巻?もちろん山伏神楽であるからだろうけれど…ううむ…。読みながら思うのは、切り取ることの難しさと網羅することの不可能さ。…うんわかってる…見に行くしかないのよね、やっぱり。夫はパラ見して「俺はもっと踊りに注目してほしい」だよね~。2022/07/30