内容説明
「わたし」はひとりですが、おかあさんも、おとうさんも、おにいちゃんも「あなた」のひとり…。ひとりの「わたし」とたくさんの「あなた」でたすけあって生きている。詩的な言葉とユーモラスな絵で、人間の本質的な疑問に答えます。
著者等紹介
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年、東京に生まれる。作家
長新太[チョウシンタ]
1927年、東京に生まれる。2005年逝去。絵本作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のっち♬
131
『わたし』の姉妹編。「あなた」も「わたし」同様、関係性によってでしか規定できない。しかし、認識される側からする側に転ずることで、「あなた」はより多彩で楽しくも悩ましい存在にもなりがちだ。谷川の文章量は相応に増え、読者も引き込む形で「わたし」と「あなた」から自己同一性や人格形成の本質へと繋げる説明が鮮やか。「たくさんの「あなた」にであってわたしはわたしになる」—ある意味、『わたし』で仄めかされた実存的な問いに対する回答が示されている。長の作画もより温かく包容力溢れるタッチになり、続けて読んでも新鮮味がある。2024/02/16
ヒラP@ehon.gohon
35
自分を取りまくたくさんの人や物をを、「あなた」と認識するから、「わたし」が実感できるのですね。 簡単明瞭のようで、哲学的な含みのある絵本です。 あなたにとってわたしはどの様に映っているのでしょう。 あなたを意識するから、わたしが気になるのでしょう。 何を感じるかは人それぞれですが、何かを感じてほしい絵本です。2021/04/16
たまきら
32
図書館放出本。娘さんは興味を示しませんでしたが、こういう本って教室の後ろにおいておいたらよい気がする…ので、今度行ったときこっそり置いて来よう。3年生ぐらいに良い気がする。2019/06/29
スノーマン
32
『わたし』を探していたけど、こちらに出会いました。ペアなのかな?四歳のムスメにはかなり難度高し。でも小学生高学年にもなれば、この女の子の気持ちが少しは分かるやろな〜。分かって欲しいという希望。だって人は一人で生きてるわけではないから。面倒でも、苦しくても、相手がいて初めて自分がいる。2014/05/13
けんとまん1007
25
”あなた”。響きのある言葉。”わたし”がいて”あなた”がいる。たくさんの”あなた”がいる。もちろん、多ければいいということもないんだろうな。自分の存在を再認識する言葉・存在なのかも。2014/06/02