内容説明
数学的知識はどのように成り立っているのか。数学的真理と自然科学的真理を分かつものは何か。数学に革命はあるのか。『不思議の国のアリス』の数学観から始まり、古代ギリシャから現代への懐疑主義思想との格闘をたどって、これらの根源的問いに答えんとする。
目次
数学史のなかのルイス・キャロル
第1部 真理という迷宮―数学と懐疑主義(ルイス・キャロルの無垢の幸福―数学的真理の絶対性という神話;ヴォワイヤン・パスカルの洞見―人間的知識の栄光と悲惨;「何も知られないこと」―懐疑主義者の数学的理性批判;「われ惟う、ゆえにわれあり」―デカルトの懐疑主義者への回答;「可能世界」というものの考え方―数学的真理のライプニッツ的救済;中間考察 基礎づけのない多様な数学的知識―ウィトゲンシュタインにとっての数学的真理)
第2部 古代ギリシャにおける理論数学の成立と数学革命論(エウクレイデース公理論数学と懐疑主義―サボー説の改訂;数学における革命とはどういうものか?―トーマス・S.クーンの科学哲学の光のもとでみた数学的真理)
著者等紹介
佐々木力[ササキチカラ]
1947年、宮城県生。東北大学理学部および同大学院で数学を学んだあと、プリンストン大学大学院でトーマス・S.クーン、マイケル・S.マホーニィらに科学史・科学哲学を学び、Ph.D.(歴史学)。1980年から東京大学教養学部講師、助教授を経て、1991年から2010年まで教授。定年退職後、2012年から北京の中国科学院大学人文学院教授。2016年から中部大学中部高等学術研究所特任教授。2020年に神奈川県和算研究会会長。東アジアを代表する科学史家・科学哲学者、数学史家。日本陳独秀研究会会長、環境社会主義研究会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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