出版社内容情報
半世紀に及ぶサケの研究について生態学を中心にまとめました。2019 年の国際サケ年にむけサケの魅力と不思議さを堪能ください。著者の半世紀に及ぶサケについての研究を生態を中心にまとめたものです。サケ類の生活史がいかに多様で,それがどのように進化してきたのかについてわかりやすく述べられています。人とサケの関係についてもサケ文化や産業としてのサケの利用について語られています。また東日本大震災による大被害を受けた三陸沿岸のサケの状況にいても付記されています。2019 年は「国際サケ年」です。本書を読んでサケ類の魅力と不思議さを知るとともに,サケ類が生きる川,海,そして地球のあり方を感じて頂けたらと思います。
はじめに
第1章 サケの歴史とその仲間
1.サケの歴史──進化と系統発生
2.サケの仲間と分類
第2章 サケ類の多様な生活史
1.発育と成長
2.生き残り戦略
3.母川回帰と繁殖戦略
第3章 サケ類のバイオマス変動と野生魚のリカバリー
1.サケの個体群生態学
2.サケ野生魚のリカバリー
第4章 サケ類と生態系
1.海洋生態系の変動とサケ類──風が吹くとサケ類が増える?!
2.サケ類による海陸生態系の連環──サケ類は産卵回帰して陸域生態系を豊かにする
3.日本の河川生態系とサケ類
4.温暖化とサケ類
第5章 サケの遡る川
1.北海道
2.本州の川
第6章 水産資源としてのシロザケ
1.石狩川におけるシロザケ漁業と人工孵化放流技術の黎明期
2.サケ資源保護の始まり──「種川の制」
3.人工孵化放流事業
4.増殖と資源管理
5.サケ類の持続的な資源管理
付記 東日本大震災後の三陸沿岸におけるシロザケ幼魚の生活パターン
サケの解剖図/サケの骨格図
サケ学についてもっと広く・深く学ぶ人のために
引用・参考文献/初出一覧/索 引/おわりに
ボックス1 シロザケの遺伝的多様性と固有性──日本のシロザケは遺伝的多様性が高い?!
ボックス2 成長曲線式
ボックス3 個体群サイズと成長率
ボックス4 環境収容力の算定
ボックス5 レジーム・シフトとは
帰山 雅秀[カエリヤマ マサヒデ]
著・文・その他
目次
第1章 サケの歴史とその仲間
第2章 サケ類の多様な生活史
第3章 サケ類のバイオマス変動と野生魚のリカバリー
第4章 サケ類と生態系
第5章 サケの遡る川
第6章 水産資源としてのシロザケ
付記 東日本大震災後の三陸沿岸におけるシロザケ幼魚の生活パターン
著者等紹介
帰山雅秀[カエリヤママサヒデ]
1949年小樽市生まれ。北海道大学大学院水産科学研究院教授、北海道大学国際本部特任教授を経て北海道大学北極域研究センター、北海道大学名誉教授。水産学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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